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【マーテル・ドロローサ Mater Dolorosa】スペイン‐芸術家ペドロ・デ・メナ
- 2024/3/17
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「マーテル・ドロローサ」は、スペインの芸術家ペドロ・デ・メナ(Pedro de Mena)によって制作された彫刻作品です。メナは1628年にグラナダで生まれ、1688年にマラガで亡くなりました。
この彫刻の制作年代はおよそ1674年から1685年頃であり、スペインのマラガで制作された可能性があります。
作品は部分的に金箔と多色で装飾された木製です。彫刻の寸法は、彫刻部分のみで約63 × 58.7 × 38.1センチメートルで、黒い台座を含むと約66 × 62.9 × 41.9センチメートル、重さは約20キログラムです。
「マーテル・ドロローサ」とは、悲しみの母マリアを表すキリスト教のアイコンであり、主にキリストの受難や死を悼む悲しみを表現します。彫刻は、マリアが悲しみに沈み、涙を流している様子を描いています。メナの彫刻作品は、その感情豊かな表現や詳細な彫刻技術で称賛されており、スペインのバロック芸術の傑作の一つとされています。
17世紀のスペインでは、彫刻された木製の彫刻品は、ペイントやガラスの目、髪などの他のメディアを用いて、自然主義と表現力の頂点に達しました。ペドロ・デ・メナの巧みな素材操作により、身体や衣服の驚くほどのリアリズムが生み出されました。これらの作品は、見る者に母子の苦しみに共感することを促し、彼らは悲劇に直面する世俗的な忍耐の模範として現れます。キリストの手を縛るねじれたロープや聖母の薄い、深く彫り込まれたドレープなどの彫刻の細部は、聖母のチュニックの銀と赤のブロケードやキリストの肉に覆われたあざなどの微妙で記述的な絵画と組み合わされています。メナの願望は、見る者の前に立つように彫刻を物理的に存在させることでした。同時に、それらは瞑想のための理想的な作品であり、尊厳と節度を備えています。
画像出所:メトロポリタン美術館
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