【エッケ・ホモ　Ecce Homo】スペイン‐芸術家ペドロ・デ・メナ

「エッケ・ホモ」は、スペインの芸術家ペドロ・デ・メナ（Pedro de Mena）によって制作された彫刻作品です。メナは1628年にグラナダで生まれ、1688年にマラガで亡くなりました。この彫刻の制作年代はおよそ1674年から1685年頃であり、スペインのマラガで制作された可能性があります。

作品は部分的に金箔と多色で装飾された木製です。彫刻部分の寸法は、約62.9 × 45.1 × 46.7センチメートルで、黒い台座を含むと約66.7 × 53.3 × 41センチメートル、重さは約14.5キログラムです。

「エッケ・ホモ」はラテン語で「見よ、人間」という意味で、キリストが十字架につけられた姿を表すイメージです。この彫刻は、キリストの苦しみや人間性を表現しています。彫刻のリアリズムと感情表現は、ペドロ・デ・メナの芸術的な才能と技術の高さを示しています。

17世紀のスペインでは、ペイントやガラスの目、髪などの他のメディアを用いて彫刻された木製の彫刻品が、自然主義と表現力の頂点に達しました。ペドロ・デ・メナのこれらの素材の巧みな扱いにより、身体や衣服の驚くべき類似が作り出されました。これらの彫刻品は、母子の苦しみに対する鑑賞者の共感的な反応を促し、彼らは悲劇に直面する世俗的な忍耐の模範として現れます。キリストの手を縛るねじれたロープや聖母の薄く、深く彫り込まれたドレープ（2014.275.2を参照）などの彫刻の細部は、聖母のチュニックの銀と赤のブロケードやキリストの肉に覆われたあざなど、微妙で記述的な絵画で補完されています。メナの願望は、これらの人物を鑑賞者の前に物理的に存在させることでした。同時に、それらは瞑想のための理想的な作品であり、尊厳と保守性を備えています。