【灰釉双耳壺】ベトナムタインホア州ユーエン・ド・ニャソン・チェムバ村所在第1号墳出土-1~2世紀器-常設展-東京国立博物館-東洋館
張り出した胴部から頚部にかけて、左右両側に小さな把手があります。外反した脚部は後漢時代の壺の特徴をよく示していますが、全体を覆う灰釉の温柔な色調は中国広東省からベトナム北部にかけての一帯で焼かれたことを窺わせます。
ベトナム、タインホア州のユーエン・ド・ニャソン・チェムバ村に所在する第1号墳から出土した1〜2世紀の器として、灰釉双耳壺が知られています。
- 材質と製作方法: 灰釉双耳壺は、一般的に粘土を使用して作られています。この種の壺は、陶器の一種であり、土器を成形し、乾燥させた後に焼成して作られます。灰釉は、特殊な釉薬の一種であり、釉薬が焼成時に灰のような色合いを帯びることからその名前がつけられました。
- 形状とデザイン: 灰釉双耳壺は、典型的には底部に円筒状の胴体を持ち、二つの耳(取っ手)が付いています。胴体の形状は球形や円錐形であり、広い口が特徴的です。壺の上部には蓋があり、蓋の取っ手もしばしば存在します。また、灰釉双耳壺は装飾が施されることもあり、浮き彫りや刻線などの模様が見られる場合があります。
- 歴史的背景: ユーエン・ド・ニャソン・チェムバ村の第1号墳から出土した灰釉双耳壺は、1〜2世紀に当たる時期のものとされています。この時期は、ベトナムの古代史において東漢時代の影響が見られる時期であり、灰釉陶器はその一部として製作されました。
- 社会的な意味合い: 灰釉双耳壺は、古代ベトナムにおける埋葬儀礼や宗教的な儀式で使用された可能性があります。このような陶器は、埋葬品として重要な役割を果たし、墓地から出土することがよくあります。また、双耳壺の形状や装飾は、当時の社会的地位や文化的背景を反映するものと考えられます。
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