「コスチューム姿」は、メキシコのメソアメリカ地域で7世紀から8世紀に作られたマヤ文化の陶器です。この作品は、陶器と顔料を使用しており、マヤ文化の重要な要素を示しています。その特徴は、人物が特定の衣装や装飾品を身に着けていることで、おそらく祭りや特別な儀式を表現している可能性があります。この作品は、マヤ文化の美術や日常生活の一端を伝える貴重な遺物と見なされています。

この陶器の人形は、立っている男性を描いており、長いテクスチャのあるボディスーツと円錐形の頭飾りを身に着けています。口が開いており、話しているかのような表情で、目の間に装飾品を身に着けています。彼の頬に刻まれた線はしわを表しており、成熟した個人であることを示しています。彼はボディスーツの上にベルトと腰布を着用し、フリルのついた襟と大きな丸い耳飾りも身に着けています（耳飾りの例として1994.35.591a、bを参照してください。また、耳飾りを着用した人物の例として1979.206.1047を参照してください）。彼の胸飾りは、右上隅から現れる動物の顔を持つ大きな丸い要素で構成されています。彼は左手に長方形の盾を持っており、その盾にはおそらく羽の模様が描かれています。人形の右腕は肘で折れています。この人形は笛でもあり、側面と背面から見える笛の口部分が第3の支持として働き、人形が直立できるようになっています。

この人形は型から作られ、個々の特徴は手作業で追加されました。耳飾りの一部や、個人の左側の顔のフリンジなど、手の形跡である指紋が見られます。この人形は大きな部分で塗装が残っており、全体の表面がかつては鮮やかな色で塗られていたことを示しています。個人の顔の中心部を除くと、青で塗られています。テクスチャのあるボディスーツも青です。人形のこれらの部分の顔料はおそらく「マヤブルー」であり、これはインディゴと粘土に含まれる鉱物であるパリゴルスカイトを加熱して作られる特徴的で耐久性のある塗料です（マヤブルーの別の例としてクロコダイルラトル、1979.206.1143を参照してください）。個人の肩の周りの部分はやや色褪せており、人形の他の部分よりもテクスチャが少ないため、使用による摩耗が見られます。個人の腰布と顔の中心部は赤で塗られています。彼の胸飾りと、足の上の円形の要素には白い塗料が残っています。この人形は断固として正面を向いており、笛の裏側にはモデリングやテクスチャがなく、滑らかな表面になっており、下部は赤で塗られ、上部は青です。

この人形はハイナ様式と呼ばれ、メキシコのカンペチェ州沖にある小さな島、ハイナ島にちなんで名付けられました。ハイナは前期古典期（紀元前300年頃から紀元250年頃）から後期後古典期（紀元1200年から1500年頃）まで占拠されたマヤの中心地であり、特に後期古典期（紀元600年から800年頃）や末期古典期（紀元800年から900年頃）に人口がピークに達しました。このようなものと類似した多くの人形や人間の形をした笛が、この島から発掘されています。この例のように、ハイナからの人形は型から作られ、個々の詳細は手作業で追加されています。これらは座っている若い女性から戦士、人間の形をした存在まで、さまざまな主題を描いています。これらの多くの遺物は考古学的な文脈を欠いていますが、発掘調査では大人や幼児の埋葬から人形が発見されています。これらの人形のスタイルはハイナ島と密接に関連していますが、他の博物館のコレクションにある陶器の材料の源のテストから、ハイナ様式の人形はメキシコのベラクルス、タバスコ、カンペチェ、チアパスでも生産され、取引されていた可能性があります。

ハイナ様式の人形は個々の肖像ではなく、理想的な「タイプ」を表しているようです。この人物の太り具合、たるんだ頬、そしてぽっこりしたお腹は、「太った神」と関連しており、これは古代メソアメリカの信仰体系に広く登場するがよく理解されていないキャラクターです。彼が神としての地位を持つかどうかは不明ですが、考古学者のクリスティーナ・ハルパリンなどの一部の学者は彼を「太った男」と呼んでいます。前古典期の芸術作品から初めて登場した「太った男」は一般的な人形の主題で、ぽっこりしたお腹、たるんだ頬、そして閉じたふくれた目が特徴です。彼はユーモアと音楽の演奏と関連付けられており、古典期には宮廷道化師のような儀式的な道化師だった可能性があります。一部の例では、彼はテクスチャのあるボディスーツを着用し、踊り、扇子を持っています。また、この人形のように、盾を持った戦士としても登場します。クリスティーナ・ハルパリン（2014年）によると、「太った男」の戦士としての描写は、明らかに戦闘の体勢ではない人物に戦士の装備を組み合わせたものであり、皮肉やユーモアがあるかもしれないと述べています。

「太った男」の多くの姿は、時間や場所によってその意味が異なる可能性があります。そして、マヤの芸術におけるすべてのぽっちゃりした人物がこのキャラクターを表しているわけではありません。他のハイナ様式の人形は、より一般的な貴族や戦士としての指定を示唆しています。クリーブランド美術館の類似作品（1963.93）はテクスチャのある青いボディスーツと取り外し可能なヘルメットを着用しており、手の位置から彼がかつて槍と盾を持っていたことが示されています。メトロポリタン美術館の人形と同様に、彼もお腹が出ています。ジャスティン・カーが撮影したハイナ様式の別の人形（彼のプレ・コロンビアン・ポートフォリオのK1503）は、メトロポリタン美術館の人形の盾とほぼ同じ長方形の羽毛模様のある盾を持っています。さらに、メトロポリタン美術館の人形は、特にオックシントクとデスリーナで見られる、ユカタン半島北部の芸術に登場する地元の戦士の「タイプ」を表すかもしれません。メキシコのカンペチェ州のこれらの遺跡では、テクスチャのあるボディスーツを着た丸々とした人物が盾を持っている大きなレリーフの柱があります。ボディスーツはおそらく戦士が着用するキルティングアーマーを表し、長方形の盾はウスマシンタ地域の戦士が持つものです。戦士であろうと「太った男」であろうと、この人物が身に着けている豪華な装飾品は彼の貴族としての地位を強調しています。
キャトリン・C・アーリー、ジェーン・アンド・モーガン・ホイットニー・フェロー、2016

画像出所：メトロポリタン美術館