7世紀から9世紀にかけてメキシコのメソアメリカ地域で生まれたマヤ文化の作品、「花から現れるトウモロコシの神」は、セラミックや顔料を用いた芸術作品です。この作品は、トウモロコシの神が花から現れる様子を描いています。マヤ文化におけるトウモロコシは重要な存在であり、神聖視されていました。この作品は、トウモロコシが花として咲き誇り、その中から神が現れる様子を象徴的に表現しています。セラミックや顔料を用いた技術を駆使し、美しい彩色やデザインがこの作品の特徴となっています。マヤ文化における宗教的な信念や農業への深い関わりを示す重要な芸術作品の一つです。

この手作りのセラミック彫刻は、若々しいトウモロコシの神の頭部と胴体を描いています。彫刻は、熟したトウモロコシの芯の中心から現れる様子を表しています。若々しいトウモロコシの神は理想化された顔立ちと長く伸びた頭を持っており、おそらく羽のついたフリンジがついた頭飾りを身に着けています。頭飾りの中央上部には平らに広がったフリンジがあります。彫刻はビーズのネックレスや、突き出た中心部を持つ耳飾りを身に着けています。彫刻の中央には折りたたまれたトウモロコシの葉を台にして、若々しいトウモロコシの神が腕を胸の前で交差させています。左腕を右腕の下に持ち、前腕を彫刻の中央にある折りたたまれたトウモロコシの葉の上に置いています。

このトウモロコシの穂は、装飾されていない細長い茎から生えており、一部には少量の青い顔料が残っています。彫刻の背面（彫刻の裏側）には、背後に立っている背の高い、アーモンド型の葉があり、外側には優しく彫られた三本の垂直な線があります。同じ形状で、同じくらいの大きさの別の葉が前方に優しく倒れ、三本の彫られた線で視覚的に区切られた二つの並行した垂直な列に並んだ六つのトウモロコシが見えます。三番目の刃のような葉は、他のものよりも短く、細く、彫刻の左側から斜めに突き出ています。

この作品はおそらく、メキシコのハイナ島（現在のカンペチェ州）から来たものです。他の手作りのハイナ島の人形や彫像と驚くほどの類似点があり、花や他の植物から現れる神々を描いたものです。ハイナの人形には特定の神々を描いたものは比較的珍しいですが、このハイナ彫刻のサブグループは神々を専ら描いているようです。

画像出所：メトロポリタン美術館