カテゴリー:1◆東洋美術史
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色の詩が聴こえる——甲斐仁代《秋のうた》にみる光と時間の層1959年、色彩の響きで季節を奏でた一枚の“うた”
1959年、甲斐仁代によって描かれた《秋のうた》は、日本の戦後洋画史のなかでも特に「色彩の詩学」を体現…
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凝縮する存在——藤川栄子《塊》にみる形と精神の臨界点1959年、日本抽象絵画の転換点に立ち現れた“見る”と“感じる”の境界
1959年、藤川栄子が制作した《塊》は、東京国立近代美術館に収蔵される彼女の代表作であ…
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「色彩の静けさ――森田元子《想い》にみる戦後初期の女性のまなざし」
1947年、敗戦からわずか二年後に開催された第3回日展。その出品作のひとつに、森田元子の油彩画《想い》がある。焼け跡の街がまだ復興の途上にあり、…
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「窓の向こうの再生――有馬さとえ《題名不詳》にみる戦後の呼吸」
東京国立近代美術館が所蔵する有馬さとえの油彩画《題名不詳》は、1946年から1951年頃の制作と推定される。その名の通り、作品には固有の題名が存在し…
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軽やかなる抵抗の絵画――桂ゆき《秋》にみる自由と遊戯の精神抽象と具象のはざまで揺れる、戦後前衛美術における女性画家の独立精神
1955年に描かれた桂ゆきの《秋》は、戦後日本美術の中でもひときわ異彩を放つ作品で…
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赤の記憶——三岸節子《静物(金魚)》にみる戦後洋画の再生-黒と白の狭間に泳ぐ生命、女性画家の眼差しが切り拓いた造形の新地平
1950年、戦後の混乱がなお続くなかで、三岸節子は《静物(金魚)》を描いた。東京国立近代…
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海の神話を超えて——竹内栖鳳《海幸》と近代日本画の臨界点-写生の精神と戦時下の美学が交錯する、巨匠最後のまなざし
1942年(昭和17年)、竹内栖鳳はその長い画業の終着点において《海幸》を描いた。絹本彩色による本…
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「静けさの力──秋野不矩《桃に小禽》にみる戦時下の希望」1942年、絹の光に託された生命の祈り
1942年、戦時の緊張が社会の隅々にまで及んでいた時代、秋野不矩は《桃に小禽》を描いた。絹本彩色による小さな花鳥…
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「光の倫理──『国光瑞色』における静けさの構築」1942年の絹本彩色が示す、祝祭と抑制のあいだ
1942年という年号を背負って生まれた日本画作品「国光瑞色」。その題名に響く音の質感は、すでに作品の運命を規定し…
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沈毅の美学としての《重成夫人》植中直斎にみる戦時下の女性像と精神性の造形
東京国立近代美術館に所蔵される植中直斎《重成夫人》は、戦時下における女性像の美学と精神的寓意を象徴する作品として、今なお静かな緊張感…
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