「富嶽雲烟図」(ふがくうんえんず)は、日本の富士山を描いた有名な風景画です。嵐山常行(Ranzan Tsuneyuki)によって制作された小柄(こづか)は、この富士山の美しい風景を刀装具の一部として表現したものと思われます。
この小柄には、細かい彫刻や模様が施され、特に「富嶽雲烟図」の景色が詳細に表現されているでしょう。一般的に、小柄は日本刀の柄に取り付けられる金属製の飾りで、刀の外観を美しくするために作られました。嵐山常行の作品は金属彫刻の技術に優れており、彼の作品には精巧な模様やデザインが多く見られます。
「富嶽雲烟図」は、富士山を描いた美術作品のジャンルとして非常に重要であり、多くの日本の画家や工芸家がこのテーマに触発されました。富士山は日本文化において特別な存在であり、その美しさや神聖性が多くの作品に表現されています。
刀柄の裏面には、芸術家嵐山常行(Ranzan Tsuneyuki、嵐山常行)がこの作品を田中(Tanaka)という名前のクライアントのために制作したことを示す銘が刻まれています。表面は、小さな点で仕上げられた「七宝(ななこ)」と呼ばれる模様で、金箔で描かれた雲の銀行と、雪をかぶった富士山の頂上が浮かび上がっています。この小柄な刀装具と、The Metのコレクションにある他の2つの刀装具は、芸術家のスケッチブック「彫金デザインのアルバム」(アクセッション番号36.120.699)に掲載されています。
嵐山常行(Ranzan Tsuneyuki)は、日本の金工家であり、江戸時代後期から明治時代にかけて活動した著名な金工家の一人です。彼の作品は、日本刀や刀装具、脇差し(小刀)の柄装具など、刀剣関連の美術工芸品に関連しています。
嵐山常行の作品は、金属彫刻の技術に優れ、特に細密な細工や模様が特徴的です。彼の作品は多くの場合、金属に対する彫刻や象嵌技法を使用しており、小さな金具にも豪華なデザインが施されています。
また、嵐山常行の作品は、その時代の美的傾向やテクニックの変化を反映しており、明治時代になると洋風の影響も見られるようになりました。彼の作品は美術館やコレクターによって高く評価され、日本の金工芸術の重要な一翼を担っています。
画像出所:Knife Handle (Kozuka) with Blade, ca. 1615–1868 Japanese, Edo period (1615–1868) Copper-gold alloy (shakudo), gold; L. including blade 8 5/8 in. (21.9 cm); L. excluding blade 3 13/16 in. (9.7 cm); W. 9/16 in. (1.4 cm); thickness 3/16 in. (0.5 cm); Wt. 1.7 oz. (48.2 g) The Metropolitan Museum of Art, New York, H. O. Havemeyer Collection, Bequest of Mrs. H. O. Havemeyer, 1929 (29.100.1216) http://www.metmuseum.org/Collections/search-the-collections/34625
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