「鳥獣紋銀鏡背」は、中国唐代(618年から907年)に作られた銀製の鏡の背部を指します。これは、鏡の背面にあたる部分で、主に装飾的な役割を果たしています。
この鏡の背部には、鳥や獣などの動物をモチーフにした紋様が彫り込まれています。これらの紋様は、唐代の芸術の特徴である華やかで繊細な彫刻技術を示しています。また、鳥や獣は中国の伝統的な象徴や吉祥の象徴として重要視されており、この鏡の背部に彫られた動物たちは、幸運や繁栄をもたらすと信じられていた可能性があります。
鏡の背部は直径約24.6センチメートルで、その大きさと装飾は、当時の贅沢な生活や文化の繁栄を反映しています。また、唐代の鏡は美的な価値だけでなく、実用的な道具としても重宝されました。そのため、この鏡の背部は美しさと実用性の両方を兼ね備えていたと考えられます。
このような鏡の背部は、当時の高貴な人々や上流階級の間で贈り物や装飾品として人気がありました。そのため、鳥獣紋銀鏡背は、唐代の芸術と文化の輝かしい一面を象徴する重要な作品の一つと言えます。この銀の円盤は元々青銅製の鏡の背面に取り付けられていましたが、現在は独立した作品として鑑賞されています。豪華な鳥や猫が蓮の蔓と共に遊んでおり、細かく打ち抜かれたリング模様の背景が見事に描かれています。
画像出所:メトロポリタン美術館
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