「鉛綠釉陶明器建築模型(一組)」は、中国の東漢時代(25年から220年)に制作された作品で、紀元1世紀から3世紀初頭頃のものとされています。これは、緑色の鉛釉が施された陶器で、建築模型として作られました。
この建築模型は、直径約21.9センチメートル、高さ約7.6センチメートルで、円形の土台に基づいています。模型の表面には緑色の鉛釉が施され、美しい光沢が特徴です。建物の形態は複雑で、屋根や柱などの細部が精巧に表現されています。
東漢時代の中国では、陶器の建築模型が一般的になりました。これらの模型は、当時の建築様式や構造を示すだけでなく、実際の建築物の模倣や、墓地の墓室内において亡くなった者への供物として使用されることもありました。
この「鉛綠釉陶明器建築模型」は、その緻密な制作と独特な鉛綠釉が特筆される作品です。これは当時の技術や美的な嗜好を反映しており、東漢時代の陶磁器工芸の一例として重要です。模型が表現する建築の形態やスタイルは、当時の社会や文化における建築の一端を知る手がかりとなっています。
画像出所:メトロポリタン美術館
コメント
トラックバックは利用できません。
コメント (0)
この記事へのコメントはありません。