「円覚経偈」は、室町時代に活躍した絶海中津(ぜっかい ちゅうしん、1336年–1405年)による作品です。1380年代から1405年ごろに制作されたとされるこの作品は、掛け軸で、紙に墨が用いられています。
この作品は、円覚(えんがく)経と呼ばれる仏教の経典から抜粋された偈(げ)を題材にしています。絶海中津は、仏教の教えや禅の実践を深く理解し、それを絵画に表現することで知られています。彼の作品は、文字だけでなく筆致や空間表現にも焦点を当て、その独自の哲学や観点を取り入れています。
この絵画は、絶海中津の深い精神的探求や仏教の教えを具現化したものとして、その芸術的価値が高く評価されています。円覚経からの偈を通じて、仏教の教えや禅の精神が絵画を通じて表現されています。
称賛された僧侶で書道家の絶海中津による激しい筆使いで書かれた二本の行の漢詩は、『円覚経』からの妄想を克服するための有名な一節を構成しています。日本語では「円覚経」として知られており、中国語では「園覚経」(Yuanyue jing)として知られています。その書写内容は次の通りです。
住妄想境 不加了知
於無了知 不辯真實
Japanese pronunciation:
妄想の境に住して 了知を加えず
了知無きに於て 真実を弁ぜず
画像出所:メトロポリタン美術館
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