【大判金貨と豆板銀の対比、牡丹模様の飾られた紙 Ōban gold coin and mameita-gin silver “bean coin” against peony-motif decorated paper】日本‐江戸時代‐渡辺崋山

【大判金貨と豆板銀の対比、牡丹模様の飾られた紙 Ōban gold coin and mameita-gin silver “bean coin” against peony-motif decorated paper】日本‐江戸時代‐渡辺崋山

「大判金貨と豆板銀の対比、牡丹模様の飾られた紙」は、江戸時代に活躍した渡辺崋山(わたなべ かざん、1793年–1841年)による作品です。1822年の午年に制作されたこの作品は、摺物(すりもの)と呼ばれる木版画で、紙に墨と色彩が使用されています。

絵画の中心には、大きな金貨である大判と、小さな豆板銀が対比されて描かれています。その間には牡丹模様の美しく装飾された紙が配置されています。この作品は、貨幣や豆板銀の対比を通じて、金銀貨の価値や存在の意味を探求しています。

崋山は、画家としてだけでなく、学者や政治家としても活躍しました。彼の作品は幅広いテーマを扱っており、この作品もその一つです。金銀貨の描写と牡丹模様の細部までの精密な表現は、崋山の技術と芸術性を示しています。彼の作品は、当時の社会や経済に関する貴重な情報源としても評価されています。

最初の詩は「馬代」(ばだい)という言葉が登場するため、おそらくこの作品のイメージに影響を与えたでしょう。神社に馬を奉納する贈り物は古くからの伝統でしたが、何世紀もの間、馬の価値に等しい金銭の支払いも行われてきました。詩に登場する御広間(おひろま)という言葉から、大名の居間での情景を想像させます。”大馬代”(おおばだい)は金で支払われ、”小馬代”(こばだい)は銀で支払われました。また、馬に関連する作品に十両硬貨の描写が登場することは、山内一豊の妻である千代が十両を貯めて馬を手に入れた話を想起させます。彼女は古い布で補修された着物を身につけながら節約し、夫に立派な馬を手に入れさせ、彼はその馬で数々の戦勝を収めました。

二番目の詩は、京門というペンネームを持つ詩人、蓬生の孫男の作です。彼の詩は、金に関連するイメージを補完するもので、「黄金の花が咲く山」というフレーズが使われています。これは古代の詩集『万葉集』にある言葉で、日本の北部である陸奥を指します。陸奥で育てられた子馬は、その美しい色彩と力強さ、気性の良さで称賛されていました。

詩は次のように解読・翻訳されます。

愚連堂凹
御広間も庭も霞のたち馬代
春と披露の鶯の声

お広間にも
庭も霞の
立ち馬代
春の披露の
鶯の声

  • 愚連堂凹

狂歌堂
はつ夢にみちのく立の駒なへて
黄金花咲山に遊へり

初夢に
陸奥立ちの
駒なべて
黄金花咲く
山に遊へり

  • 狂歌堂

※ 画家の印: 銅製の重り形の「火之印」の「花山」
式紙判の摺物

画像出所:メトロポリタン美術館

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