「六祖・芦雁・叭々鳥図」は、江戸時代の日本の絵画で、雲谷等益（Unkoku Tōeki）によって描かれた作品です。この絵画は、六祖慧能（Rokuso Enō）を含む禅宗の祖師たちと、芦雁（アシガン、またはユリカモメ）と叭々鳥（パパ鳥、またはキセキレイ）といった鳥たちを描いたもので、禅の教えと自然界の要素を結びつけた作品です。

雲谷等益は、江戸時代の禅僧であり、また絵画家としても活動しました。彼は禅の教えと芸術を結びつけ、禅宗の思想や精神を絵画を通じて表現しました。この作品では、禅宗の祖師たちが鳥と共に描かれ、自然との調和、平和、瞑想の精神が表現されています。

「六祖・芦雁・叭々鳥図」は、日本の禅宗の美的伝統と芸術との融合を示す重要な作品であり、雲谷等益の芸術的な視点と禅の教えの表現が結びついています。このような作品は、禅の実践と精神的な思考を視覚的な形で伝える手段として、日本の美術において重要な位置を占めています。

この作品は、一つの多重スクロール構成内で、見かけ上は関連のない三つの主題を組み合わせたもので、初期の禅宗の信仰的な絵画でよく見られ、16世紀には多くのプロの画家によって広く採用されたフォーマットです。中央には禅仏教の六祖慧能（638–713）が位置し、彼は中国で起源を持つ鳥と花をテーマにした作品が両側に配置されています。右側には秋の景色の中に二羽のガンと秋の葦が描かれ、左側には古い木の切り株に止まる一羽のミナ鳥がいます。

雲谷等益は、西日本に拠点を置くUnkoku派の画家の一員であり、この派は強力な毛利氏の指導者たちに付き従う画家として活動しました。この派は彼の父、洞岸（Tōgan）によって16世紀の末に設立され、Unkoku派の画家たちは大中世の禅の墨画家である雪舟（1420–1506）の遺産の継承者であると位置づけました。雪舟は晩年、この地域にUnkoku-anというスタジオを設立しました。雲谷等益は、兄の等奥（Tō’oku）が早世した後、Unkoku派の指導を受け継ぎました。雲谷等益の子孫は19世紀末まで派の主要な支流を率いました。

画像出所：メトロポリタン美術館