【ジャロ・デ・ピコ　Jarro de Pico】スペイン‐バリャドリッド文化

「ジャロ・デ・ピコ」は、おそらくヘルナンド・ソリス（Hernando Solis）によって制作されたものとされる、16世紀後半のスペイン、バリャドリッドの文化に関連する作品です。この作品は、銀と部分的に金メッキされた素材で作られています。寸法は全体で最大の高さが約7 5/8インチで、胴体の上端からの高さが約6 5/16インチ、幅が約8 3/8インチ、奥行きが約4 3/16インチです。重量は約2.1ポンド（約0.9474キログラム）です。

このジャロ・デ・ピコは、特徴的なくちばしの形状を持つ銀製の容器であり、通常は水や酒などの液体を注ぐために使用されます。その製作年代や地域の文化的背景から、高度な職人技術と芸術的なデザインが組み合わさったものと考えられます。これは当時のスペインの贅沢品や銀製品の一部として、上流階級や王室の家庭で使用された可能性があります。

「ジャロ・デ・ピコ」は、そのほぼ神話的な地位を持つ高級な器具であり、いわゆるヒスパニック銀の黄金時代の代表的な家庭用品でした。これらの華麗にくちばしのついた水差しは、富裕層の食卓で手洗い用に用いられ、一般的にはルネサンス様式とフィリップ2世およびフィリップ3世時代の幾何学的な形態が融合したものです。これは16世紀後半から17世紀初頭にかけての特徴的な時期です。

「ジャロ・デ・ピコ」の特徴は、水差しの本体の質素さと、くちばし部分の力強くモデル化されたディテールとの対比にあります。くちばし部分は、しばしばルネサンス期のイタリアで人気のあるグロテスクなデザインを思わせる、葉冠を戴き、動物の耳のような尖った男性の姿をしています。この水差しのくちばし部分の彫刻的な力強さと、スタイリッシュで機能的な、ほとんど人間工学に基づいた取っ手との対比が際立ちます。取っ手の底部には尖った曲線があり、高さを引き立てる非常に目立つ親指のスクロールが特徴です。本体の純度は、金箔で施された水平バンドとモールディングによって強調されています。この「ジャロ・デ・ピコ」の足の内部には、バリャドリッド市の紋章を示すマークと、一部のマークがあり、それは一応、銀細工師ヘルナンド・ソリスのものとして特定されています。