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【女性のテラコッタ像 Terracotta statuette of a woman】古代ギリシャ‐ヘレニズム期
この「女性のテラコッタ像」は、ヘレニズム期の作品で、紀元前2世紀に制作されました。ギリシャ文化の影響を受けながらも、おそらく小アジアからのものであると考えられています。このテラコッタ像は、女性の姿を細部まで精巧に表現しています。その高さは約11 3/4インチ(約29.8センチメートル)で、細長い体型と優美なポーズが特徴です。彫刻された顔立ちは優雅であり、髪型や服装のディテールも丁寧に表現されています。
この像の製作技術は、テラコッタという素材を用いながらも、高度な彫刻技術を持つ芸術家によって制作されたことが窺えます。ヘレニズム期の作品であるため、ギリシャ彫刻の影響を受けながらも、アジアの芸術的伝統や美意識も反映されています。
女性のテラコッタ像は、当時の美的観念や女性の理想像を伝える重要な遺物です。その優雅な姿や精緻な表現は、古代の芸術の豊かさと繊細さを示しています。
この小さな像は、体を横断するようにマントを持ち、腕を交差させたポーズをとっています。このポーズは、遅いヘレニズム期に女性の全身像によく用いられた「プディキティア(Pudicitia)」と呼ばれるタイプであり、このポーズから像は紀元前2世紀に位置付けられます。この時点で、本土のギリシャの工房はもはやこの品質の彫像を生産していないため、この像はおそらく小アジアの工房からのものです。
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