【『平家物語』平維盛北の方惜別図　 “Taira no Koremori’s Farewell,” from The Tale of the Heike】日本‐江戸時代‐ 岩佐又兵衛

「『平家物語』平維盛北の方惜別図」は、岩佐又兵衛（岩佐又右衛門、岩佐又兵衛Iwasa Matabei（勝持））による作品で、制作時期はおおよそ1640年頃の江戸時代に位置します。この作品は、日本の文化を代表する絵巻物である『平家物語』に登場する平維盛と北の方の別れを描いたものです。

絵画は、掛け軸として制作され、紙に墨、色彩、金箔、銀箔が使用されています。寸法は以下の通りです。画像部分は縦59センチ×横37.5センチであり、総装飾の中では縦141センチ×横48.1センチ、ノブを含む状態では縦141センチ×横54センチとなっています。

この作品は、『平家物語』に登場する平維盛と北の方の別れを描いており、感動的でドラマチックな瞬間を捉えています。岩佐又兵衛は江戸時代初期の画家で、特に武士や戦国時代の武将たちを描くことで知られています。この作品では、繊細な筆致と美しい色彩が組み合わさり、物語の感情を見事に表現しています。金箔と銀箔の使用は、作品に豪華さと高貴な雰囲気を与えています。

この絵画は、『平家物語』からの場面を描いており、これは中世初期の大作戦記であり、1180年から1185年にかけて行われた源平合戦を記念しています。この戦いでは、平家一族（平家）と源氏一族（源氏）と呼ばれる二つの大名家が対立しました。岩佐又兵衛は、物語全体の中で最も重要で感動的なエピソードの一つを描き出しており、平家の力の最後の継承者である中将惟盛が妻に別れを告げる場面を表現しています。

アーティストとして、岩佐又兵衛は作品に心理的な示唆を加えることで知られており、この作品でも中央の人物たちのポーズや空白の効果的な使用が、二人がこれから別れることを理解していることを暗示しています。対照的に、従者たちはアニメーション豊かな表情を見せ、アーティストが有名になった誇張された特徴を具現化しています。