「鎏金銅舍利棺」は、中国の唐代(618年から907年)に制作された美術作品で、銅製の舎利棺を鎏金(金箔を貼り付ける技法)で飾り付けたものです。この作品は、高さ3 1/2インチ(約8.9センチメートル)、幅2 1/2インチ(約6.4センチメートル)、奥行き4インチ(約10.2センチメートル)といった小ぶりな寸法を持っています。
舎利棺は仏教の文化や信仰に関連するものであり、仏教寺院や修道院で仏舎利(仏陀の遺骨や聖遺物)を安置するために使用されました。唐代は中国の仏教が栄え、宗教的な芸術や工芸品が繁栄した時期でもあります。
この「鎏金銅舍利棺」は、その美しいデザインや精緻な工芸技術によって特徴づけられています。銅の舎利棺が鎏金で覆われ、金箔によって表面がきらびやかに輝いています。また、唐代の芸術の特徴である緻密で細かな細工や彫刻が施され、仏教のシンボルや神聖な文様が装飾されています。
この作品は、当時の仏教文化や芸術の繁栄を物語り、その精巧な制作によって仏教信仰者や寺院における儀式に用いられたことが窺えます。唐代の芸術の中で、鎏金銅舍利棺は宗教的な尊厳さと芸術的な洗練が見事に融合した傑作として評価されています。
画像出所:メトロポリタン美術館
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