【四仏座塔婆台 Pagoda base with four Buddhas】中国‐北魏時代

【四仏座塔婆台 Pagoda base with four Buddhas】中国‐北魏時代

「四仏座塔婆台」は、中国の北魏時代(550年から577年)に制作された彫刻作品です。制作年代はおおよそ560年から577年ごろとされており、素材は顔料の痕跡が残る石灰岩です。寸法は高さ約241.3センチ、一つの面の幅は約171.5センチです。

この塔婆台は、仏教美術の中で重要な役割を果たしています。四方に彫られた四つの仏像は、おそらく仏教的な意味や象徴を持ち、宗教的な目的のために制作されたものでしょう。石灰岩の彫刻には、彩色が施された痕跡が見られ、制作当時の装飾的な美しさや芸術性を物語っています。

この作品は、北魏時代の仏教美術の特徴を示す重要な例となっており、当時の芸術的な技術と宗教的な信仰がどのように表現されていたかを窺い知る貴重な資料となっています。また、仏教の信仰や文化が当時の中国社会に与えた影響を理解する上で、貴重な文化遺産として位置付けられています。

中国では北魏時代から唐代(618年から907年)にかけて、小さな四角い塔のような神殿の建設が始まり、隆盛しました。他の例との比較から推測されるところでは、この神殿はかつて四角い、段々状の台座の上に立っており、ドーム型または段々の屋根で覆われていた可能性があります。顕著な入口が特徴の外壁には、四つの仏陀を囲む柱があります。これらの仏陀は正確には識別できませんが、おそらく6世紀の中国の実践にとって最も重要な仏陀を表していた可能性が高いです。各壁は、複数の座った仏陀を表した梁で覆われています。対となる龍が上部を埋め、守護神や獅子(多くは現存しませんが)が入口を守っています。

この神殿の内壁には、多数の小さな仏陀が並んで彫られています。仏陀の姿勢や衣服に変化が見られ、それらは宇宙における多くの仏陀の存在を象徴しています。この種の多くの神殿は中国北東部に見られ、しばしば著名な僧侶の遺跡と関連づけられており、葬儀の記念碑として機能していた可能性があります。ただし、この例の中央にある柱が際立っていることから、この神殿は視覚化の訓練に使用され、特にこれらの特定の仏陀に焦点を当てた可能性があります。

画像出所:メトロポリタン美術館

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