「ヨーク形容器」は、メソアメリカのグアテマラで制作されたマヤ文化の作品です。制作年代は4世紀中頃から5世紀中頃とされています。

この容器は陶器製で、赤い顔料（おそらく丹銅鉱）で装飾されています。形状は「ヨーク」と呼ばれ、両端がくびれた特徴的な形をしています。マヤ文化の芸術作品は、豊かな象徴性と精巧な技術で知られており、この容器もその例外ではありません。彫刻や装飾が施された陶器は、マヤ文化の社会的、宗教的な意味を持つ場合があります。このヨーク形容器も、そのような象徴的な要素を持ちながら、古代マヤ文化のアートの一部として価値が高く評価されています。

この唯一無二の三脚式飲料容器は、マヤの芸術家によって作られ、中央メキシコの偉大な都市テオティワカンと関連するスタイルで制作されています。この容器には、メソアメリカのボールゲームの多層的な視覚的な物語が描かれています。3つの球状の足には渦巻き模様が刻まれており、これはテオティワカンの人心抜きの描写を示すものかもしれません。足の上には大きなU字形の要素があり、ボールゲームの帯や腰の防具（通常「ヨーク」と呼ばれる）を表しています。U字形の両端には、四角いくぼみから頭が現れています。閉じた目と無表情な表情から、これは打ち負かされた敵の切断された頭を表している可能性があります。U字形の主な部分には、隆起した拳のモデル化された要素があり、他の文脈で示される捕虜の手の切断を示しているかもしれません。ボールゲームのバージョンは時代や場所によって異なりますが、犠牲は広く特徴とされています。

エフィジー（人物の彫像などを含む対象）の中心から上昇する円筒形の空間が、ヨーク内部と接続しており、ここから液体（おそらく風味豊かなチョコレート）を飲むために誰かが飲むことができたとされます。ヨークの滑らかで艶やかな仕上げと対照的に、円筒とその蓋は削り出され、浮き彫りで複雑なボールゲームのシーンが描かれています。4つの人物が現れており、壁に2人、蓋に2人のボールプレーヤーのポーズが描かれています。彼らは向かい合っており、似たような結び目のある胸当て、ベルトの組み合わせ、大きな羽飾りのついた帽子を着用しています。彼らの口から長い巻物が出ており、テオティワカン様式の芸術で会話を表現する普遍的な方法です。各帽子には異なる中心要素があり、プレーヤーが異なる氏族や政治グループから来た可能性を示しており、このボールゲームのシナリオは重要な外交的な出会いであった可能性があります。

各ペアの間には、未だ解読されていないテオティワカン語の象形文字かもしれない要素があります。主要な要素は、選手がボールコートでバウンドさせたゴム製のボールであり、それぞれ異なる羽飾りの要素で飾られています。下のボールには結び目のある帯があり、上のボールにはひし形の縞模様の要素があり、その側面から螺旋状の装飾が突き出ています。これらの構成要素は特定の場所を指す可能性があります。おそらくよく知られた王宮の首都や特定のボールコートでしょうが、まだ解読されていません。羽飾りの束と一緒にあるボールは、おそらく供物を表している可能性もあります。ゴム製のボールはしばしば儀式活動の一部であり、他の文脈では燃やされる様子が描かれています。その場合、ボールプレーヤーはボールを供物として特定の出来事や儀式を示しているかもしれません。

画像出所：メトロポリタン美術館