【人物座り香炉(インセンサリオ) Seated Figure Censer (Incensario)】メキシコ‐メソアメリカ‐マヤ文化
この「人物座り香炉(インセンサリオ)」は、メソアメリカのマヤ文化に関連する作品で、5世紀から6世紀に制作されました。陶器製で、高さは約37.5センチです。
この香炉は、儀式用の香を焚くためのもので、その形状や装飾から、マヤ文化における宗教的・儀式的な重要性を示しています。香炉の上部には、座った人物が描かれており、おそらく特定の神や高位の存在を表していると考えられています。
作品のデザインには、マヤ文化の特徴的な要素が取り入れられています。この座った人物は、おそらく特定の神話や信仰体系に関連するものであり、その姿勢や装飾は当時の宗教的な意味や価値観を反映しています。
マヤ文化では香炉は神聖視され、儀式や儀礼の際に重要な役割を果たしていました。この陶器製の香炉は、マヤ文化における芸術技術の高さや宗教的な信念を物語る重要な作品の一つです。
センサー、またはインセンサリオは、神殿の階段から洞窟の内部まで、様々な場所で発見されており、古代メソアメリカにおける焼香儀式の重要性を示しています。マヤの領域では、コパル樹脂を焚いた際に発生する煙の立ち上がる雲が、重要な儀式ごとに伴っていたと考えられています。
こちらの描かれたセンサーには、座った人物が描かれており、おそらく支配者であるかもしれません。彼の頭部の周囲には神話上の生物の要素があり、対称的に彼の両側を囲んでいます。中央の人物は浮き彫りになっており、脚を組んで座り、丁寧に胸の前で手をポジションしています。手の位置は内側に持ち込まれ、触れ合っており、彫刻された石碑にも見られ、支配権を意味するとされています。また、人間の頭部や仮面のような要素が人物の膝の上に描かれています。この人物は尊敬される祖先の抽象的な概念を表している可能性があります。
画像出所:メトロポリタン美術館
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