【雛形若菜初模様 四ツ目屋内 にしき木 The Courtesan Nishikigi of the Yotsumeya Brothel】日本‐江戸時代‐磯田湖龍斎
「雛形若菜初模様 四ツ目屋内 にしき木」は、江戸時代の浮世絵師磯田湖龍斎による作品です。この作品は1776年に制作された木版画で、「雛形若菜初模様」と題されたシリーズの一部として描かれました。
絵の中には、豪華な室内が描かれており、その中で「にしき木」と呼ばれる豪華な木製の飾りが目立ちます。浮世絵では、日常生活や風俗、そして贅沢な室内装飾などが描かれることが一般的であり、この作品もその一例です。
磯田湖龍斎は、江戸時代中期から後期にかけて活躍した浮世絵師で、特に色彩豊かな作品と女性の美しさを描くことで知られています。彼の作品は精巧な技術と美的感覚を持ち、当時の日本の文化や風俗を見事に表現しています。この作品も、その洗練された技術と美しいデザインで、当時の贅沢な生活や室内装飾を見事に描き出しています。
磯田湖龍斎は、貧しい武士の家系に生まれ、身分を捨てて江戸で画家として活動しました。初期の作品は、春信の郷愁に満ちたロマンチックなイメージを反映していました。後に、彼は風紀の厳しい世界の華やかな春のファッションを描いた大胆なシリーズの版画を制作しました。
作品「雛形若菜初模様 四ツ目屋内 にしき木」では、にしき木(屏風の一種)の中に花が描かれた派手な黒の外套を着た「西木妓」が描かれています。彼女の小袖は、繊細な竹模様の抵抗染めで模様付けされ、大きな幾何学的な錦織りの帯(帯)で縛られています。同じ衣装とポーズの付き人、またはかむろは、色褪せた紫の着物を着ており、それには萩が描かれた格子状の柄があります。格子状の柄には、鳥居の女性たちが鉄格子の向こうで潜在的な客に自分たちを見せていたことを視覚的に表現したモチーフが含まれています。
画像出所:メトロポリタン美術館
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