「顔の輪郭を持つ笏」は、7世紀から8世紀に作られたメソアメリカのマヤ文化の作品です。素材はフリントで作られており、メキシコかグアテマラの地域で制作されました。

この笏は、石器の芸術的な作品であり、その特徴は顔の輪郭が彫られた形状です。石の表面には、熟練した職人によって緻密に削られ、形成されました。この顔の輪郭は、おそらく神聖な象徴や象徴的な意味を持つ可能性があり、マヤ文化の宗教的な儀式や様々な文化的な側面と関連していると考えられています。

このフリントの笏には、精巧な装飾を施された2つの側面の顔が描かれています。マヤの芸術家たちは、脆弱で難しい媒体であるフリントを、創造的な多数の人物像や幾何学的な形に巧みに削り取りました。灰褐色の原石は、彫刻の中心部に白いコルテックスの一部を残しています。カール状の刃が底部を形成し、木製の柄や棒に取り付けられ、支配の象徴として機能した可能性があります。

マヤの人々は、フリント（またはチャート）が地球に雷が落ちた際に生まれたものであり、それに超自然の力が宿ると信じていました。フリントの笏と雷の関連性は、この作品で明示されています。2つの顔のうち、より大きなものは広い要素に座り、3つの小さな付属物を持っており、これは玉座を表している可能性があります。そして、より小さな顔はその後ろから伸びており、まるで運ばれているかのようです。その手足は縮んでおり、玉座の前面から伸びた足と、手のジェスチャーをする前方に伸びた腕があります。各顔は斜めの額と、特徴的な前方の突起を持つ扇状の冠を示しており、これはおそらくマヤの雷神であるカウィルの特徴である「煙る鉾」を象徴しています。

これらの作られたフリントは、有用な刃に対応しない数百もの異なる形状で作られており、しばしばマヤの墓や奉納の隠し場所で供物として見つかります。マヤのフリント職人たちは、おそらく2人組で作業しており、石、木、骨の道具を使った直接的および間接的な打撃、圧力剥離など、さまざまな技術を使用していました。これらの中には笏や手持ちの武器として使用されたものもあり、多くは作成および依頼した人々によって埋葬される前に鮮やかな色で塗装されていました。

画像出所：メトロポリタン美術館