【アンジェリカとメドロロ  Angelica and Medoro】フランス‐ロココ時代‐フランソワ・ブーシェ(François Boucher)

【アンジェリカとメドロロ  Angelica and Medoro】フランス‐ロココ時代‐フランソワ・ブーシェ(François Boucher)

「アンジェリカとメドロロ」は、18世紀フランスの画家フランソワ・ブーシェ(François Boucher)によって制作された絵画です。この作品は1763年に制作されました。

「アンジェリカとメドロロ」とは、イタリアの叙事詩『オルランド・フリエゾ』(”Orlando Furioso”)に登場するキャラクター、アンジェリカとメドロロを描いた作品です。この叙事詩はルネサンス期のイタリアの詩人アリオストによって書かれ、多くの芸術家たちに影響を与えました。

アンジェリカはサラセン人の王女であり、メドロロは彼女と愛し合う騎士です。彼らの物語は、愛と戦い、宗教と文化の対立を描いたエピソードであり、芸術家たちによってしばしば取り上げられました。

ブーシェはロココ様式の代表的な画家であり、彼の作品は優美で華やかな色彩や柔らかい筆致で知られています。彼は王室やフランス貴族のために多くの作品を制作し、その芸術は当時のファッションや趣味に大きな影響を与えました。

「アンジェリカとメドロロ」は、ブーシェの作品の中でも特に叙事詩や物語を題材にした作品であり、その技巧と感受性を示す傑作の一つとされています。

この絵画は、1765年のサロン展示会で、それとペアをなす作品と共に展示されました。ルドヴィーコ・アリオストの叙事詩『狂えるオルランド』(1532年)を基にしており、その扱いや構図において、フランソワ・ブーシェが歴史的テーマを宝石のような輝きで描く色彩の達人としての腕前を示す見事な例です。この絵は、架空の中国の王の娘である異教徒のアンジェリカを描いており、彼女はキリスト教の騎士オルランドを捨てて、北アフリカのムスリム騎士メドロロに心を奪われます。しかし、ブーシェの絵には原文に見られる多文化的な側面はほとんど見られず、19世紀におけるこの物語の多くの表現にも現れていませんでした。

画像出所:メトロポリタン美術館

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