江戸時代の「龍紋皿」は、肥前焼(Hizen ware)の一つで、特に柿右衛門窯(Kakiemon kiln)のスタイルに分類される陶磁器です。この陶磁器は、透明な釉薬の上に彩釉(colored enamels)で描かれた龍の模様が特徴です。
「龍紋皿」は、竜(龍)のデザインが描かれた皿を指します。竜は日本の伝説や宗教、文化において特別な意味を持つ存在で、力、勇気、幸運、守護などの象徴とされています。江戸時代の陶磁器に竜の模様が描かれたことは、その作品が高貴で価値があることを示す一因となりました。
柿右衛門窯のスタイルは、色鮮やかな彩釉と精巧な絵付けが特徴で、日本国内外で高く評価されました。特にヨーロッパ向けに輸出され、西洋の市場でも非常に人気がありました。現在、江戸時代の柿右衛門窯の作品は美術骨董品市場で高値で取引されており、日本の美術工芸の重要な一部とされています。
この柿右衛門スタイルの皿のモチーフは、広く日本の装飾芸術で使用されていた中国の象徴と自然モチーフの語彙から描かれています。中央の円形の竜は、「水の竜」と呼ばれ、水に縁起良く結び付けられたこの架空の生物の一形態で、17世紀後半以降の輸出用磁器にもこのモチーフが現れます。
画像出所:メトロポリタン美術館
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