【釈迦如来坐像】インド|パーラ朝・9世紀頃|石造－常設展－東京国立博物館

パーラ朝は、古代インドに存在した仏教王朝で、8世紀から12世紀初頭にかけて栄えました。この時代の仏教美術は、特に仏像彫刻が盛んであり、パーラ朝の仏像は高度な芸術性と宗教的意味を持つ美しい作品として知られています。

パーラ朝時代に制作された石造の「釈迦如来坐像」は、釈迦（仏陀）の姿を座っている姿勢で表現したものです。「如来」とは悟りを開いた仏陀のことを指し、彼の姿を崇拝する対象として仏教寺院や聖地に設置されました。

これらの釈迦如来坐像は、石材で制作されており、パーラ朝の仏像彫刻の特徴である精巧な彫刻技術が見られます。仏陀の体のプロポーションや表情がリアルに表現され、彫刻家の熟練した技術が窺えます。また、仏陀の顔には深い精神性と穏やかな表情が表現され、観音菩薩のような菩薩像とは異なる、仏陀らしい威厳と落ち着きが漂います。

パーラ朝の仏像彫刻は、その美しさと芸術性によって多くの信仰者や芸術愛好家に愛されています。これらの釈迦如来坐像は、パーラ朝の仏教美術の重要な遺産として、現代でも多くの仏教寺院や美術館で展示され、研究されています。これらの美しい彫刻は、仏教美術の優れた作例として、インドの文化遺産として世界中で高く評価されています。