高台が高く、丸みを帯びた独特の器形から、もとは祭器であったと推測されます。灰茶色の胎全体を白土で化粧し、透明釉をかけた「無地刷毛目」の碗で、日本で茶碗として珍重されました。陶芸家浜田庄司(1894〜1978)が激賞したという逸話が残っています。
「冬頭」とは、朝鮮時代の陶磁器である無地刷毛目茶碗の銘です。この茶碗は一般的に、装飾や絵付けが施されておらず、無地の状態で焼かれたものです。無地の茶碗は、その純粋な美しさや素朴さが評価され、茶の湯や茶道の儀式で使用されました。
刷毛目とは、陶器の表面に刷毛のような筋目模様がつけられた技法のことを指します。この技法は朝鮮陶磁器の特徴の一つであり、無地の茶碗に施されることで、質素でありながらも独特な風合いが生まれます。
「冬頭」という銘は、具体的な意味や由来についての情報は限られています。しかし、銘は茶碗に付けられる特定の名前や語句を指すことが多く、その由来や意味は作成時の背景や制作目的に関連している可能性があります。
朝鮮時代の無地刷毛目茶碗は、日常的な茶の飲み物として使われるだけでなく、茶道の儀式や雅趣を楽しむための茶碗としても重要な役割を果たしました。そのため、現在でも無地刷毛目茶碗は美術品や収集品として高く評価され、韓国や他の国の博物館や美術館で展示されています。
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