【題張氏隱居二首其一 唐時代・杜甫】書:王文治
春山無伴獨相求,伐木丁丁山更幽。
澗道餘寒歷冰雪,石門斜日到林丘。
不貪夜識金銀氣,遠害朝看麋鹿遊。
乘興杳然迷出處,對君疑是泛虛舟。
この詩は、唐代の詩人である杜甫(とほ)によって書かれた「題張氏隠居二首其一」という詩の一部です。この詩は、詩人が山中で出会った隠者の生活と、その景観に触発された心情を描写しています。
詩の冒頭では、詩人が春の山中を一人でさまよい歩いている様子が描かれます。山は静かで、木を伐る音が響き渡りますが、その音が深く静謐な山の奥深くに響いています。詩人は孤独な山の景色を求めて歩みを進めています。
次に、詩人が澗道(かんどう)を渡りながら感じた寒さや冰雪(ひょうせつ)の痕跡が描写されます。石門(せきもん)には斜めに射し込む日差しが林丘(りんきゅう)に届いています。これらの描写によって、詩人が自然の厳しさや美しさと向き合っている様子が表現されています。
また、詩人は金銀の富を貪ることなく、遠くから麋鹿(びろく)の遊ぶ様子を朝に見ることができると述べています。詩人は物質的な贅沢に執着することなく、自然との共存や動物たちの自由な姿を感じることができることを表現しています。
詩の終盤では、詩人が興に乗じて迷い込んだ場所について疑念を抱いています。詩人は自分がどこにいるのかわからず、空虚な舟に乗って漂っているように感じています。これは詩人が自然の中での孤独さや存在の一時的な喪失感について考えていることを示しています。
この詩は、杜甫が自然との共感や孤独といったテーマを通じて、人間の存在や心の葛藤を描いた作品です。自然の景観や孤独な時間の中での思索が詩によって表現され、杜甫の詩作の中でも優れた作品の一つとして評価されています。
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