カテゴリー:2◆西洋美術史
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ピカソ晩年のまなざし性を越境する〈顔〉という問い
20世紀美術の歴史を見渡すとき、「顔」という主題ほど執拗に、そして豊穣に探究されたものはない。その中心に立ち続けた画家こそパブロ・ピカソである。写実の確かさから始…
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情熱と生命の最終楽章ピカソ《男と女》に宿る晩年表現の深層
パブロ・ピカソが1969年に描いた《男と女》は、彼の創作人生の最終局面に位置する作品である。88歳に達した巨匠が、死の影を背負いながらなお、燃えさかる生命…
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ピカソ最晩年の幻想劇場《1968年5月16日VI》に見る群像と記憶の戯れ
1968年、ピカソ88歳。一般的には創作の終盤に差し掛かる年齢であるにもかかわらず、この時期の彼の制作はむしろ激情に満ち、若い頃にも増して…
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パブロ・ピカソ《顔》見るという行為の臨界を探るリトグラフの実験
1928年、パブロ・ピカソが制作したリトグラフ《顔》は、一見すれば驚くほど簡潔で、ほとんど素描の覚書のように見える。しかし、そこに凝縮されているのは…
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パブロ・ピカソ《貧しき食事》― 青の時代にひそむ聖性と人間存在の深層 ―
20世紀美術を語るとき、パブロ・ピカソほど多面的な表現世界を築いた画家はいないだろう。若き日から晩年に至るまで彼は、常に新たな形式を模索し…
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レオニー嬢──ピカソとジャコブ、詩と線が交差する場所
20世紀初頭、パリの前衛芸術はかつてない活力を帯びていた。絵画・詩・音楽・舞台が互いの境界を越え、複数の感性が接触し、反応し、炭酸水のように泡立ちながら新しい…
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青い胴着の女ピカソが見つめた静謐な瞬間
1920年前後のパブロ・ピカソは、激動の革新期と革新期のあいだに訪れた、稀有な「静けさ」を生きていた。キュビスムの衝撃を世界に刻みつけた後、彼は一転して古典的な均衡と造形美…
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パリの息吹を映すまなざしフィンセント・ファン・ゴッホ《自画像》——色彩と自己の再発見
フィンセント・ファン・ゴッホがパリで描いた《自画像》は、単なる肖像ではなく、精神の輪郭を紙上に刻む試みであった。鏡の前に立つと…
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夜、少女に導かれる盲目のミノタウロス神話・愛・闇が交錯するピカソの寓意
夜の静寂に包まれた海辺を、ひとつの影が歩んでいる。人間の肉体と牛の頭部を併せ持つミノタウロス──ギリシャ神話に登場する異形の怪物である。しか…
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海辺に伏す影名もなき労働の静かな序章
干潮の海辺ほど、人の営みを素直に映す場所はない。広く伸びる湿った砂地、風の通り道となる空白の平原、そして寄せては返す波の気配。そこに立つ人間は、自然の大きな呼吸の前でひときわ…
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