カテゴリー:1◆東洋美術史
-
斎藤豊作の作品《夕映の流》
黄昏の川辺に立つまなざし《夕映の流》は、斎藤豊作が渡欧後に帰国し、油彩画家として新たな境地を模索していた時期の代表作である。1913年(大正2年)、東京美術学校で黒田清輝に学び、さらに…
-
異国の友を描くということ
中村彝の《エロシェンコ氏の像》は、日本近代洋画史における人物肖像画の一つの到達点として位置づけられる。ここで描かれているヴァシリー・エロシェンコは、1890年、当時のロシア帝国領内に生ま…
-
南薰造の作品《六月の日》(1912年制作)
写実と装飾のはざまで輝く、初夏の「疲労」の詩学
「六月の日」という題名がまず示すのは、季節としての「六月」が持つ明確な意味合いである。日本の多くの地域において、六…
-
梅原龍三郎《黄金の首飾り》——「赤」の詩学と裸体美の確立
赤が先行する風景——作品との出会い
《黄金の首飾り》という題名を目にしたとき、鑑賞者はおそらく、黄金に輝く装飾品に目を凝らすことを想像するだろう。だ…
-
作品「タチアオイの白と緑ーベダーナル山の見える」
ジョージア・オキーフにおける自然、抽象、そして神話の地層
アメリカ近代美術を代表する女性画家ジョージア・オキーフ(Georgia O’Keeffe, 188…
-
安井曾太郎《金蓉》
静止と動勢のあいだに生まれる肖像の美安井曾太郎の代表作の一つ、《金蓉》(1934年制作、)は、昭和期の肖像画における一つの到達点とされる作品である。その穏やかな画面は、一見すれば写実的でありな…
-
アンリ・マティスの作品《ルネ、緑のハーモニー》
絵画に刻まれた「発展段階の反応」
アンリ・マティス(Henri Matisse, 1869–1954)は、色彩と形態に新たな自由を与えた20世紀絵画の革新者で…
-
人工と自然の夢幻交錯
古賀春江の作品《海》
1929年に制作された古賀春江の《海》は、昭和初期という時代の空気を、夢のような詩情と冷静な構成力によって封じ込めた稀有な作品である。東京国立近代美術館に所蔵され…
-
【ガス灯と広告】佐伯祐三ー東京国立近代美術館所蔵
「都市の皮膚を描く」
佐伯祐三の作品《ガス灯と広告》
都市への眼差し──フランスと日本を越えて
1927年、佐伯祐三は、彼の短い生涯の中でも特に…
-
都市の断片から成る「構築」
村山知義の作品《构筑物》
日本近代美術史において、1920年代は特異な時代である。西洋の前衛芸術の潮流が一気に流入し、芸術家たちが様々な実験を試みたこの時代、表現手法は一様ではな…
ページ上部へ戻る
Copyright © 【電子版】jin11-美術史 All rights reserved.
最近のコメント