カテゴリー:日本美術
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春の名残と戦時の気配をめぐる静かなレトリック
三谷十糸子の《惜春》は、1942(昭和17)年に制作された絹本彩色の中型作で、現在は東京国立近代美術館に所蔵されている。右下に落款・印章を備え、額装のうえで展示される…
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植中直斎の「重成夫人」
戦時下における女性像の美学と道徳的寓意
逸話と画題の位置づけ
直斎が描いたのは、夫人が夫の兜を手に取る一瞬の場面である。足もとには香盆・香炉・香包が丁寧に描き込まれ、香の気配が…
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「祝祭の絵」を静かに見る
題名が先に語るもの
「国光瑞色」という四字は、まず音の手触りが作品の運命を規定している。〈国光〉は国家的光輝・国威の比喩であり、〈瑞色〉は吉祥を告げる色、すなわち「瑞祥」を視覚化す…
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秋野不矩の《桃に小禽》
戦時下に咲く静謐なる詩
絵画と時代の狭間に
1942年(昭和17年)、秋野不矩は《桃に小禽》を制作した。絹本彩色による本作は、淡い桃の花と小さな鳥を描いた花鳥画である。一見すれ…
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竹内栖鳳の《海幸》
近代日本画における伝統と時代の交錯
画題の重み
1942年(昭和17年)、竹内栖鳳は晩年の一作《海幸》を描いた。絹本に彩色をほどこし、精緻な筆触と豊かな色彩をもって描かれたこの作品…
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三岸節子の《静物(金魚)》
戦後洋画の転換点としての鮮烈な造形
画面に浮かびあがる金魚
1950年に制作された三岸節子《静物(金魚)》は、東京国立近代美術館に所蔵される作品のなかでも、戦後日本の女性洋…
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戦後前衛美術の中の桂ゆき
1955年に描かれた桂ゆきの《秋》は、戦後日本洋画の中でも独特の存在感を放つ作品である。桂は戦前から洋画を学び、戦後は自由で奔放な表現によって「女性画家」という枠組みを軽やかに越え、独自…
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「題名不詳」という沈黙
東京国立近代美術館に所蔵される有馬さとえの油彩画《題名不詳》は、1946年から1951年頃に制作されたと考えられる。作品に固有の題名が与えられていないことは、観る者に大きな解釈の余地を与え…
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戦後初期の女性洋画家の視線
森田元子の作品《想い》は、戦後間もない1947年(昭和22年)に制作され、第3回日展に出品された油彩画である。制作年を考えれば、まだ焦土と化した都市の傷痕が生々しく残り、人々が日常生活…
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「塊」という言葉の重み
1959(昭和34)年に制作された藤川栄子《塊》は、東京国立近代美術館に収蔵される同作家の重要な抽象作品である。題名に冠された「塊」という語は、一見すると物質的で直截的な意味合いを持つ。し…
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