カテゴリー:日本美術
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【少女の顔】黒田清輝ー黒田記念館所蔵
《少女の顔》――静寂の光、異国に息づくまなざしフランスのアトリエに宿った黒田清輝の「見る」ことへの覚醒 明治23年(1890年)、フランス・パリ。若き黒田清輝がキャンバスに描きつけた《少女の顔》は、わずか一人の… -
【編物】黒田清輝ー黒田記念館所蔵
光の織り目――黒田清輝《編物》にみる静謐と近代のまなざし日常の手仕事から生まれる近代日本洋画の原点 明治二十三年(1890年)頃、パリの片隅で若き黒田清輝が描いた《編物》は、劇的な主題も寓意も持たない。そこにある… -
【ブレハ島にて】黒田清輝ー黒田記念館所蔵
「光の誕生――黒田清輝《ブレハ島にて》と近代の感覚」 《ブレハ島にて》という小さな絵を前にすると、私たちは近代日本洋画の原風景に立ち会うことになる。そこに描かれているのは、名も知らぬ一人の女性と、彼女を包む穏やかな光の… -
【横浜本牧の景】黒田清輝ー黒田記念館所蔵
湿潤の光と近代のまなざし―黒田清輝《横浜本牧の景》にみる外光と風土の交感― 明治という時代の光は、単に太陽の光ではなかった。それは「近代」という名のまなざしの光でもあり、黒田清輝の《横浜本牧の景》(1894年)は… -
【昼寝】黒田清輝ー黒田記念館所蔵
《昼寝》―陽光のゆらめきと、眠る身体の近代― 黒田清輝《昼寝》(1894年)は、一人の女性が草むらに身を横たえ、夏の陽光に包まれて眠る姿を描いた小品である。しかし、その静謐な情景の背後には、明治という時代が初め… -
【栗拾い】黒田清輝ー黒田記念館所蔵
秋の光に沈む人影——黒田清輝《栗拾い》にみる静けさの近代労働と自然、そして晩年の眼差しが描く「日本の近代洋画」の到達点 秋の午後の光は、あらゆるものの輪郭をやわらげる。《栗拾い》の画面を前にしたとき、まず感じる… -
【葡萄】黒田清輝ー黒田記念館所蔵
光を食む果実――黒田清輝《葡萄》に見る近代日本洋画の内なる呼吸―― 静物の卓上に並ぶ果実ほど、沈黙のうちに語るものはない。黒田清輝の《葡萄》は、まさにその沈黙の極点にある。そこには風景の開放も、人物の物語もない… -
【案山子】黒田清輝ー黒田記念館所蔵
豊かな空と雲の下に―黒田清輝《案山子》をめぐって― 澄みわたる秋の空の下、一本の木の棒に衣をまとわせただけの案山子が、ひとり風に揺れている。黒田清輝《案山子》(1920年)は、そんな何気ない光景をとらえた小さな… -
【大原女】土田麦僊ー京都国立近代美術館所蔵
山の女、光の女―土田麦僊《大原女》にみる美と労働のあわい― 山里から都へと薪を運ぶ女。その姿は、古くから京都人の記憶に刻まれた風景の一部である。大原の女たちは、頭上に束ねた薪を載せ、白い手拭いを頬に掛け、静かに… -
【島の女】土田麦僊ー東京国立近代美術館所蔵
南の光の中の女 ―土田麦僊《島の女》に見る原像のまなざし― 灼けつく陽光の下、ひとりの女が立っている。海の色は深く、空気は湿りを含みながら透き通っている。彼女の肌は褐色に輝き、巻かれた布が風に揺れる。その姿には…

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