喬 子一覧
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見えないものの力 ― 大沢昌助《岩と人》が描く遮断と想像の構図1940年の光景に刻まれた静けさと不安、そのあわいを描く
1940年、戦争の足音が確実に近づきつつあった日本の美術界において、大沢昌助の《岩と人》は異…
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静けさの中の永遠 ― 矢橋六郎《水を飲む女》に見る生命の形象1940年の光と水、そして一人の女性が示した「存在」の肖像
1940年、戦時体制へと急速に傾きつつあった日本で、矢橋六郎は一枚の小さな絵を描いた。《水を…
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「数理の詩学——北脇昇《(A+B)² 意味構造》にみる構造と生命の対話」抽象と自然のあいだにひらかれた「数学が絵になる」瞬間
1940年(昭和15年)、日本の抽象絵画にひとつの特異点が生まれた。北脇昇の《(A+B…
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静寂のなかの抵抗——麻生三郎《とり》に見る“見ること”の倫理戦時下に描かれた一羽の鳥が語る、存在とまなざしの美学
麻生三郎の《とり》(1940年)は、一見すると控えめで、どこにでもいそうな小さな鳥の姿を描いた作…
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沈黙する都市の機構――松本竣介《N駅近く》に見る人間と社会の臨界点匿名化する群衆の中で、個の輪郭を探す
1940年、松本竣介は油彩画《N駅近く》を描いた。戦時色が強まる日本の首都・東京を舞台に、彼は日常的な「駅前…
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沈黙の青——松本竣介《黒い花》にみる都市の孤独と精神の風景透明な層の中に潜む声なき抵抗と、1940年代の青の寓話
1940(昭和15)年に制作された松本竣介《黒い花》は、戦時下の日本美術においてきわめて異質な輝き…
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静かに立つ光——深沢紅子《立てる少女》にみる戦後女性像の美学色と余白の呼吸が紡ぐ、ひとりの少女の内なる時間
1959年、文部省買上げとなった深沢紅子《立てる少女》は、戦後日本の洋画史の中で、特異な静けさを放つ作品…
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色の詩が聴こえる——甲斐仁代《秋のうた》にみる光と時間の層1959年、色彩の響きで季節を奏でた一枚の“うた”
1959年、甲斐仁代によって描かれた《秋のうた》は、日本の戦後洋画史のなかでも特に「色彩の詩学」を体現…
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凝縮する存在——藤川栄子《塊》にみる形と精神の臨界点1959年、日本抽象絵画の転換点に立ち現れた“見る”と“感じる”の境界
1959年、藤川栄子が制作した《塊》は、東京国立近代美術館に収蔵される彼女の代表作であ…
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「色彩の静けさ――森田元子《想い》にみる戦後初期の女性のまなざし」
1947年、敗戦からわずか二年後に開催された第3回日展。その出品作のひとつに、森田元子の油彩画《想い》がある。焼け跡の街がまだ復興の途上にあり、…
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