喬 子一覧
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前田青邨の《おぼこ》
水族の視線と戦時下の眼差し
水墨における「おぼこ」の題材性
前田青邨(1885–1977)が1944(昭和19)年に描いた《おぼこ》は、画面全体に群泳する小魚を墨の濃淡のみで表現…
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安田靫彦の「小楠公」
時代を映す静謐の英雄像
南北朝時代に醍醐天皇へ忠誠を誓い、父正成とともに戦った楠木正行。その生涯は『太平記』に記録され、後世には忠孝両全の象徴として語り継がれた。安田靫彦が1944(昭…
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横山大観の「春風万里乃濤」
海鳴りとしての日本画、風としての歴史
「春風万里乃濤」という七字は、まず音律の美しさで観者の身体感覚を掴む。春風が「万里」をわたり、やがて「濤」となる。風と水という異なる要素…
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山口華楊《鴨》
水面に息づく静謐
1.沈黙にひそむ動勢
山口華楊の《鴨》(1942年、絹本彩色、東京国立近代美術館蔵)は、ただ一羽の鴨を描いた小品でありながら、日本画の伝統と近代性を架橋する重要な作品…
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春の名残と戦時の気配をめぐる静かなレトリック
三谷十糸子の《惜春》は、1942(昭和17)年に制作された絹本彩色の中型作で、現在は東京国立近代美術館に所蔵されている。右下に落款・印章を備え、額装のうえで展示される…
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植中直斎の「重成夫人」
戦時下における女性像の美学と道徳的寓意
逸話と画題の位置づけ
直斎が描いたのは、夫人が夫の兜を手に取る一瞬の場面である。足もとには香盆・香炉・香包が丁寧に描き込まれ、香の気配が…
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「祝祭の絵」を静かに見る
題名が先に語るもの
「国光瑞色」という四字は、まず音の手触りが作品の運命を規定している。〈国光〉は国家的光輝・国威の比喩であり、〈瑞色〉は吉祥を告げる色、すなわち「瑞祥」を視覚化す…
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秋野不矩の《桃に小禽》
戦時下に咲く静謐なる詩
絵画と時代の狭間に
1942年(昭和17年)、秋野不矩は《桃に小禽》を制作した。絹本彩色による本作は、淡い桃の花と小さな鳥を描いた花鳥画である。一見すれ…
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竹内栖鳳の《海幸》
近代日本画における伝統と時代の交錯
画題の重み
1942年(昭和17年)、竹内栖鳳は晩年の一作《海幸》を描いた。絹本に彩色をほどこし、精緻な筆触と豊かな色彩をもって描かれたこの作品…
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三岸節子の《静物(金魚)》
戦後洋画の転換点としての鮮烈な造形
画面に浮かびあがる金魚
1950年に制作された三岸節子《静物(金魚)》は、東京国立近代美術館に所蔵される作品のなかでも、戦後日本の女性洋…
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