喬 子一覧
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マティス《ルネ、緑のハーモニー》に見る“反応”の美学
— 描き直しの痕跡が紡ぐ、完成と未完のあわい —
アンリ・マティス(Henri Matisse, 1869–1954)は、20世紀絵画において色彩と線の…
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静けさの力学:安井曾太郎《金蓉》が示す肖像の新地平— 静止する身体と構成的運動が織り上げる現代肖像の原点 —
昭和洋画史における金字塔として語り継がれてきた安井曾太郎《金蓉》(1934年)。端正で抑制された画面構…
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タチアオイと聖なる山:ジョージア・オキーフが見つめた自然の精神地図— 白と緑が開く、内なる風景への入口 —
ジョージア・オキーフ(Georgia O’Keeffe, 1887–1986)は、生涯を通して自然という…
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〈赤〉が創造する裸体——梅原龍三郎《黄金の首飾り》における色彩の劇場肉体・背景・装飾の交錯から読み解く近代日本洋画の新地平
梅原龍三郎《黄金の首飾り》(1913年)は、題名に掲げられた装飾品よりもはるかに強烈に、…
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六月の光と疲労の詩学──南薰造《六月の日》にみる写実と装飾の交叉点 初夏の労働とモダニズムの萌芽をめぐる美術的思考
初夏の過剰な光が世界を覆いはじめる六月という季節は、農事の忙しさと蒸し暑さが人々の身体感覚…
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沈黙の光――中村彝《エロシェンコ氏の像》が映す魂の肖像 異国の友を通して見つめた、人間存在へのまなざし
1920年代、日本の洋画界は新しい段階に入っていた。明治期に黒田清輝が導入した外光派が一応の完成を見た後…
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光の粒子が奏でる詩 ― 斎藤豊作《夕映の流》にみる情感の点描
1913年(大正2年)、斎藤豊作が描いた《夕映の流》は、明治期の外光派が築いた写実的風景画の潮流を越え、感情と光の交錯を画面に封じ込めた日本近代洋画の…
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静寂の園に宿る恋 ― 河野通勢《好子像》にみる記憶と視線の構築
1916年(大正5年)に制作された河野通勢《好子像》は、日本近代洋画史のなかでも特異な光を放つ作品である。画面には一人の女性が静かに座し、その手には…
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光の記憶――黒田清輝《落葉》に見る外光と感情の交錯 パリ郊外グレー=シュル=ロワンで描かれた、明治日本洋画の転換点
1891年の秋、パリ近郊の静かな村グレー=シュル=ロワン。その穏やかなロワン川の流れと、黄…
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静寂の中の風景――松林勝《小諸風景》が映す時間の呼吸 都市の喧騒を離れ、信州の光と空気を描いた画家が見つめた「生きている静けさ」
1920年代後半、日本の芸術家たちは新しい時代の風に翻弄されていた。関東大震…
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