【仏陀頭部】タイ-ピサヌローク-スコータイ時代-14〜15世紀-銅造-常設展-東京国立博物館-東洋館
本作は破損しているものの、整った顔立ちと鋳造の仕上がり、粒の細かい螺髪や髪際線をあらわす特徴など、スコータイの仏の中でもアユタヤー初期の仏像の影響を受けたピサヌローク派のものと言えるでしょう。
タイのピサヌローク(スコータイ時代)の14世紀から15世紀にかけて、銅造の仏陀頭部の作品が多く制作されました。ピサヌロークは、タイの北部に位置する歴史的な都市であり、スコータイ王国の首都として栄えました。
ピサヌローク時代の銅造仏陀頭部は、仏教美術の重要な作品として高く評価されています。これらの作品は主に仏教寺院の装飾として作られ、その多くは寺院の塔(チェディ)の頂上に設置されました。これらの仏陀頭部は、仏陀の顔や表情を精緻に表現し、仏教の教えや悟りを象徴するものとして崇拝されました。
ピサヌローク時代の銅造仏陀頭部は、繊細で優雅な特徴を持っています。彫刻家は、仏陀の眉毛、目、鼻、口などの細部を丹念に表現しました。また、仏陀の頭部にはウシュニーシャ(仏頂部のかさぶた)があり、仏陀の至高の智慧を象徴しています。
これらの仏陀頭部は、タイの芸術的なスタイルと技術を反映しています。ピサヌローク時代の銅工芸品は、緻密な銅像の制作技術が駆使されており、金や銀の箔(こう)で装飾されることもありました。また、タイのピサヌローク時代の仏教美術は、その後のアユタヤ王朝やランナー王朝などのタイの王朝の美術にも影響を与えました。
これらの銅造の仏陀頭部は、タイの宗教的・芸術的な遺産として高く評価され、多くの作品が博物館や寺院で展示されています。これらの作品は、ピサヌローク時代の豊かな文化と芸術の成果を物語っており、タイの歴史と宗教の重要な一部を形成しています。
コメント
トラックバックは利用できません。
コメント (0)
この記事へのコメントはありません。