【菩薩交脚像】アフガニスタン・ハッダ|3~5世紀|ストウッコ|加藤宏氏寄贈－常設展－東京国立博物館

アフガニスタンのハッダ（Hadda）地域は、かつてクシャーン朝の支配下にあった地域で、古代ガンダーラ地域の一部です。ハッダは仏教美術の重要な遺産を持つ地域として知られており、古代から多くの仏教美術作品が制作されていました。

ハッダ地域で制作された仏像の中に、「ストウッコの菩薩交脚像」が存在します。これは3世紀から5世紀のクシャーン朝時代に創られた美しい仏像で、菩薩（覚者や悟りを求める者）が蓮の花の上に座って交差した脚を持つ姿勢で表現されています。

「交脚」とは、仏陀や菩薩が座っている際に片足を上に持ち上げ、もう一方の足の上に置く姿勢のことを指します。これは瞑想や瞑想の深さを象徴するポーズとして知られています。菩薩交脚像は、悟りを求める者の精神的な探求を表現した作品として崇拝されていました。

ハッダ地域の仏像は、粘土質の岩石や石材を使って制作されており、その制作技法は非常に精緻です。仏陀や菩薩の体のプロポーションや表情がリアルに表現され、彫刻家の高い技術が窺えます。

これらのストウッコの菩薩交脚像は、ハッダ地域の仏教寺院や聖地において崇拝され、仏教信仰の中心的な対象として重要な役割を果たしていました。現代でも、ハッダ地域で発見されたこれらの美しい仏像は、仏教美術の重要な遺産として保存・展示されており、多くの人々によって訪れられています。

【菩薩交脚像】アフガニスタン・ハッダ|3~5世紀|ストウッコ|加藤宏氏寄贈－常設展－東京国立博物館－東洋館