江戸時代の短刀（脇指）の刃と装飾品については、以下のような特徴があります。

1. 刃（は）：江戸時代の短刀の刃は、通常は鋼鉄で作られ、非常に鋭利で強力でした。刃の形状やデザインはさまざまで、個々の刀匠（刀鍛冶）によって異なりました。短刀は武士階級の武器として使用され、戦闘においても日常生活でのさまざまな用途にも使われました。
2. 装飾品（装飾具）：江戸時代の短刀は、刀身や鞘にさまざまな装飾品が施されることが一般的でした。これらの装飾品は、武士の個人的な好みや所属する流派によって異なり、美的な要素や象徴的な意味を持っていました。例えば、装飾品には鞘に取り付けられる「栗形（くりがた）」や柄に取り付けられる「銘菸（めんすき）」などがありました。これらの装飾品は、金属や漆塗りで装飾され、贅沢なデザインが施されました。
3. デザインと象徴主義：江戸時代の日本では、刀剣やその装飾品には多くの象徴主義が込められていました。例えば、装飾品に古いコインのイメージが使われるなど、縁起の良いシンボルや文化的な意味合いが取り入れられました。また、鞘のデザインには狩猟や鷹狩りの要素が反映されたり、特定のスポーツや伝統に関連するスタイルが採用されることもありました。

江戸時代の短刀は、武士の身分や好み、流派によって異なるスタイルとデザインで製作され、その装飾品や刃には当時の文化や価値観が表れています。これらの刀剣と装飾品は、日本の美的な伝統と工芸品の一部として高く評価されています。

この装飾品は、古いコインのイメージで飾られており、縁起の良いシンボルです。製作者は、鞘にリブ模様を作成するために、強力な紐を巻きつけ、それに漆を塗布し、漆が完全に乾かないうちに紐を取り除く方法を使用しました。この方法により、細かいストライエーション（線模様）が彫刻されたかのような仕上がりとなります。鞘の広い先端部分は「伝仲小尻（でんちゅうこじり）」または「おめし小尻（おめしこじり）」と呼ばれ、特に鷹狩りや狩猟など、以前の時代の馬術競技スタイルを反映しています。

画像出所：メトロポリタン美術館