【黑褐釉象形容器】カンボジア-クメール-アンコール時代・12〜13世紀-岸野浩平氏寄贈-陶磁器-常設展-東京国立博物館-東洋館
クメール陶器には、動物の形をした器がよくみられます。なかでも象は、荷物や人を運ぶために重宝するもっとも身近な動物であり、丸々と愛らしい姿にあらわされています。整った器形やつやのある黒褐釉からは安定した焼成技術をうかがうことができます。
カンボジアのクメール-アンコール時代、12〜13世紀の黑褐釉象形容器は、美術品の中でも特に興味深く、ユニークな作品の一つです。これらの容器は、陶器や磁器の素材で作られ、特徴的な黒い褐色の釉薬がかけられているのが特徴です。
黑褐釉象形容器は、その名の通り、象(ゾウ)の形を模した容器です。これらの容器は、象の頭部や体を模したデザインを持ち、非常にリアルな表現が施されています。象はクメール文化において重要な動物であり、象形容器はその象徴的な存在を反映しています。
これらの象形容器は、一般的に日常生活での使用に加えて、宗教的な儀式や祭祀においても使用されていました。象はヒンドゥー教や仏教の宗教的な象徴として重要な存在であり、これらの宗教的な行事において重要な役割を果たしていたと考えられています。
黒褐釉象形容器は、黒い褐色の釉薬によって表面が光沢を持ち、美しい装飾が施されています。これらの容器は、象のリアルな表現が際立ち、芸術的な価値が高まっています。
これらの象形容器は、考古学的な発掘によって発見されたり、コレクターによって収集されたりしています。美術館や博物館で展示され、クメール文化の一部として保存されています。その芸術的な価値と歴史的な背景によって、多くの人々に興味を持たれています。
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