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【千鳥松蒔絵香合 Incense Box (Kogo) with Pines and Plovers】南北朝時代
- 2023/8/28
- 04・鎌倉・南北朝時代
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この香合は、南北朝時代に制作された作品で、金箔を用いた研出し蒔絵がなし地(梨皮地)の上に施されています。この作品は、南北朝時代に日本で繁栄した美術の一例であり、千鳥(ちどり)の図案が描かれた香合です。千鳥は、その美しい姿と鳴き声から日本の伝統的な美意識において重要な象徴とされており、また長寿や繁栄の願いも込められています。金箔を用いた蒔絵技法は、美しい輝きを持つデザインを作り出すための伝統的な技術であり、香合に贅沢な輝きと高貴な雰囲気をもたらしています。
この作品は、多くの茶道の香合のように、もともとは十二手箱(じゅうにてばこ)と呼ばれる化粧道具のセットの一部であった可能性があります。このセットでは、この作品は歯黒(はぐろ)のための容器として使用されていたかもしれません。この細部まで手の込んだ小さな箱は、海岸に散らばる貝殻の上に、千鳥と常緑の松の木の瑞祥(ずいしょう)な構図で飾られています。千鳥は「千代」とも読まれ、その鳴き声「ちよ」が「千年」と同音異義語であるため、長寿の象徴とされています。
画像出所:メトロポリタン美術館
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