この蓮池蒔絵経箱は、江戸時代に作られたもので、金箔を用いた研出し巻き絵(研出し蒔絵)、平巻き絵、および梨皮絵の技法が用いられています。これは仏教の経典を収めるための箱であり、その表面には蓮の池という仏教美術の重要なシンボルが描かれています。
この箱は、聖なる蓮池をデザインしたもので、その葉や茎、種の頭部など、蓮の成長の異なる段階が美しく表現されています。このスタイルは、田原屋宗達(約1640年没)による17世紀初頭のデザインに類似しており、その影響を受けていることが分かります。
この箱の装飾には、研出し巻き絵(研出し蒔絵)や平巻き絵、梨皮絵などの技法が用いられています。研出し蒔絵は、金箔を砕いて散らし、その上に薄い漆を塗ることで装飾を施す技法です。平巻き絵は、漆を盛って描かれる平らな装飾です。梨皮絵は、漆の表面に細かな模様を施す技法で、「梨皮」のような美しい質感を生み出します。
この箱は、高台寺塗りと呼ばれる後期の塗りのスタイルを表しており、その装飾技法やデザインは、日本の伝統的な工芸品と美術品の精巧さと美しさを示しています。
浅い引き出しを持つこの箱は、仏教の経典を保管するために作られ、仏教美術の象徴である聖なるシンボルである蓮の池が装飾されています。葉、茎、そして種の頭部のスタイルは、植物の成長のさまざまな段階を思わせるもので、これは田原屋宗達(約1640年没)による17世紀初頭のデザインを連想させます。平巻絵(平らな「振りかけ絵」)と縁無し地(「梨皮絵」)の振りかけ技法は、後の高台寺塗りのスタイルの一種を表しています。
画像出所:メトロポリタン美術館
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