【ヴィーナを奏でる女】インド-ビーカーネール派|18世紀 |紙に水彩－常設展－東京国立博物館

橙色の服を着た女性が、建物の前で、黄色い長枕に寄りかかりながら、左手にヴィーナとよばれるインドの弦楽器を持っています。女性の傍らには白い猫がいます。また女性の前には正方形に区画された花壇を描いています。

インドの細密画の中でも有名なビーカーネール派（またはベーカネール派）は、18世紀に栄えた美術のスタイルです。この派閥は、主に北インドのラージャスターン州にあるビーカーネール（Bikaner）地域で発展しました。ビーカーネール派の細密画は、緻密なディテールや洗練された技術を特徴としており、宮廷の美術として栄えました。

紙に水彩を用いたビーカーネール派の絵画「ヴィーナを奏でる女」は、宮廷や貴族の文化を反映した作品の一つです。この絵画は、美しい女性がヴィーナと呼ばれる伝統的な楽器を演奏している様子を描写しています。絵画は細部まで丹念に描かれ、色彩とデザインが精巧に織り交ぜられています。

ビーカーネール派の細密画は、美しい色彩と優雅な描写で知られており、宮廷の贅沢な生活や芸術の愛好を象徴しています。絵画には、宮廷の貴族や音楽家、舞踊家、神話や宗教の場面など、多様なテーマが描かれることがあります。

ビーカーネール派の絵画は、当時のインドの美術において重要な位置を占めており、その繊細な技術と美的センスは、現代でも多くの人々に称賛されています。これらの作品は、美術館やコレクターズアイテムとして世界中で見られることがあり、インドの芸術と文化の富裕な遺産を伝えるものとして大切にされています。