【兜跋毘沙門天立像　Tobatsu Bishamonten】平安時代

平安時代の兜跋毘沙門天立像は、欅（けやき）の木材に彩色の痕跡が残る彫刻像を指します。この像は、兜跋毘沙門天を表すもので、その特徴や制作技法が描かれています。

兜跋毘沙門天は、毘沙門天（北方の守護神）の一つの表現であり、通常は四天王（四天応星）の一員として知られる四方の守護神です。この立像では、彼は兜をかぶり、武士の装束をまとい、怒りの表情を浮かべています。彼の特徴的な兜は目立ち、その姿は力強さと武勇を象徴しています。

彩色の痕跡が残ることから、この像は元々は彩色された装飾が施されていたと考えられています。平安時代の彫刻像には、彩色が施されることで宗教的な意味や象徴が強調され、より鮮やかで力強い印象を与えることがありました。

この兜跋毘沙門天立像は、平安時代の宗教的な信仰と美術の結びつきを象徴するものであり、その存在は当時の信仰と芸術の一端を伝えています。彼の武士の装束と怒りの表情は、彼の守護と戦士としての役割を表現しています。

東発毘沙門天は、毘沙門天（北方の守護神）の一つの表現であり、通常は四天王（四天応星）として知られる四方の守護神の一員です。しかし、東発毘沙門天（この彫刻で捉えられているように）の表現では、この神は常に単独で描かれ、通常は女性の土地神・地天や、ニランバとビランバという二人の小人の悪鬼に支えられた山の上に立っています。彼は怒った表情を浮かべ、中国の武士の鎧を身に着けており、左手には仏教の教えと遺物を象徴する小さな仏塔を持っています。おそらく彼の右手には、悪を征服し、仏教の敵を抑えるための武器が持たれていたでしょう。