「象牙福祿綿延如意」は、清朝時代（1644–1911年）の late 18th–early 19th century に制作された象牙の瑞祥品です。以下にこの作品の詳細を説明します。

特徴と装飾

• 象牙（Ivory）: この瑞祥品は象牙で作られています。象牙は、その滑らかで堅固な特性により、細やかな彫刻が可能です。また、その白く光沢のある質感は、伝統的な中国の工芸品において高く評価されています。
• 福祿（Fu Lu）: この語は中国の伝統的な幸福（福）と繁栄（祿）を象徴するモチーフで、通常は縁起の良いデザインとして使われます。福祿綿延（「福祿綿延」は、幸福と繁栄が長く続くことを意味します）という言葉は、特に幸運や長寿を願う意味が込められています。
• 如意（Ruyi）: 瑞祥品の形状は「如意」であり、「如意」は「思い通りになる」または「願いがかなう」ことを意味する中国の象徴的なアイテムです。通常、持ち手が曲がった杖のような形状で、装飾的でありながらも、実用的な意味合いも持っています。

デザインと装飾

• 装飾: 象牙の表面には精緻な彫刻が施されており、福祿やその他の瑞祥モチーフが細かく表現されています。これにより、象牙の自然な質感と彫刻の美しさが際立っています。また、彫刻には色素が加えられており、これがデザインに対して追加の視覚的な深みと興味を提供しています。
• デザイン: この如意は、華やかな装飾とともに、複雑なパターンやシンボルが織り交ぜられていることが特徴です。装飾的な要素が多く含まれており、豪華さと贅沢さが感じられます。

構造と寸法

• 幅（W）: 約2 3/8インチ（6センチメートル）。細長い形状であり、手に持ちやすいサイズです。
• 長さ（L）: 約11インチ（27.9センチメートル）。比較的長めの如意で、装飾的な要素が十分に表現できるサイズです。
• 厚さ（D）: 約1 5/8インチ（4.1センチメートル）。適度な厚さで、象牙の堅固さと彫刻の精密さが保たれています。

制作背景と歴史

• 清朝時代: 清朝（1644–1911年）は、中国の歴史の中で非常に豊かな文化と工芸が発展した時代です。18世紀後半から19世紀初頭は、特に工芸品が高度に発展し、象牙彫刻の技術も非常に精緻なものとなりました。
• 象牙工芸: 象牙工芸は、中国の伝統的な工芸品の中でも特に重要な位置を占めており、象牙は非常に高価で貴重な材料とされていました。そのため、象牙で作られた工芸品は、一般的に皇室や貴族、または高い地位を持つ人物に属するものでした。

文化的意義

この「象牙福祿綿延如意」は、清朝時代の工芸品の中でも、装飾性と象徴的な意味が込められた貴重なアイテムです。象牙の瑞祥品は、幸運や繁栄を祈るための贈り物としても用いられ、また中国の伝統的な文化や儀式において重要な役割を果たしていました。

画像出所：メトロポリタン美術館