【灑金銅缽式爐 Incense burner with animal-mask handles】中国‐明代

【灑金銅缽式爐 Incense burner with animal-mask handles】中国‐明代

「灑金銅缽式爐」は、明代の中国で制作された銅製の香炉で、特に金の飛び散り(灑金)によって装飾されています。以下にその詳細について説明します。

基本情報

  • 時代: 明朝 (1368–1644)
  • 制作時期: 17世紀
  • 文化: 中国
  • 素材: 銅に金の飛び散り(灑金)

特徴とデザイン

  1. 素材と装飾:
    • : この香炉は銅製で、耐久性と美しさを兼ね備えた素材です。銅は長い歴史を持つ金属で、古代から多くの工芸品や日用品に使われてきました。
    • 灑金 (金の飛び散り): 「灑金」は金箔や金粉を用いた装飾技法で、銅の表面に金が飛び散るように施されています。この技法により、銅の地金に対して華やかさと高級感が加わり、視覚的な美しさが増します。金の飛び散りは、ランダムで自然な模様を作り出し、光の加減で様々な表情を見せます。
  2. 形状:
    • 缽式爐: 香炉の形状は「缽式」(ほうしき)で、一般的に広がりのある浅い形をしています。これにより、香を焚いたときに煙が広がりやすくなり、香りが部屋全体に行き渡ります。
    • 寸法: 高さ 3 インチ (7.6 cm); 直径 5 3/8 インチ (13.7 cm) と比較的小型で、卓上や棚に置いて使用するのに適しています。
  3. デザインと装飾:
    • シンプルながら優雅: この香炉は、装飾が施された金の飛び散りによって、シンプルな形状にもかかわらず優雅で華やかな印象を与えます。金と銅のコントラストが美しく、視覚的に引き付けられるデザインです。
    • 機能性と美術性: 香炉としての機能を持ちつつ、美術的な価値も高いです。香を焚くことで生じる煙が美しく流れる様子は、鑑賞する人にとっても楽しみの一部です。
  4. 技術的背景:
    • 明朝の工芸: 明代は、金属工芸や陶磁器の技術が非常に発展した時代で、特に17世紀には工芸品が高い美術性を持ちました。金の飛び散り技法も、この時代の特有の装飾技法の一つです。
    • 銅の扱い: 銅製品は、耐久性と加工のしやすさから、さまざまな工芸品や日用品に使用されました。明代の職人たちは、銅の特性を生かし、様々な技法で装飾を施しました。
  5. 用途と象徴性:
    • 香炉としての使用: この香炉は、香を焚くために使われ、香りを楽しむためのものであり、またそのデザインや装飾が美術的な価値を持っています。
    • 文化的な意義: 香炉は中国文化において重要な役割を果たし、儀式や日常生活で使用されるとともに、装飾品としても評価されました。特に高級な香炉は、地位や財力の象徴として扱われることもありました。

まとめ

「灑金銅缽式爐」は、17世紀の明代に制作された銅製の香炉で、金の飛び散りによる装飾が施されています。この香炉は、シンプルながらも華やかなデザインが特徴で、銅の質感と金の輝きが相まって美しい視覚効果を生み出しています。明代の工芸技術と美術的感性が反映されたこの作品は、機能性と装飾性を兼ね備えた優れた工芸品です。

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画像出所:メトロポリタン美術館

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