【張成款雕漆剔紅綬帶秋葵紋盤 Dish with long-tailed birds and hibiscuses】中国‐元代

【張成款雕漆剔紅綬帶秋葵紋盤 Dish with long-tailed birds and hibiscuses】中国‐元代

「張成款雕漆剔紅綬帶秋葵紋盤」は、中国元代(1271年から1368年)の作品で、作者は張成とされています(ただし、一部の資料ではその作者については異論もあります)。この作品は、漆器の一種である「雕漆」で彫刻されたもので、具体的には「剔紅」技法(彫り込んだ漆を赤く着色する方法)で仕上げられています。

作品は直径約32.4センチメートルで、厚さはわずか0.3センチメートルです。これにより、非常に薄くて繊細な作品であることがわかります。盤の中心には「秋葵紋」が彫り込まれており、これが作品の中心的な装飾となっています。

元代の雕漆作品は、その技術的な高度さと芸術的な精緻さで知られています。漆器は中国の伝統的な工芸品であり、漆の塗料や彫刻技法を駆使して、美しい装飾品や容器が作られました。特に「剔紅」技法は、漆を彫り込んでそこに赤い顔料を塗布することで、彫刻のディテールを際立たせる手法です。

この盤は、その装飾性とともに、当時の高貴な家庭や宮廷での使用を意識した作品であると考えられています。漆器は耐久性が高く、豪華な装飾が施されたものは贈り物や重要な儀式で用いられることが多かったため、その社会的な意味合いも重要です。

この作品は、元代の漆器技術の精巧さと、当時の中国社会における装飾芸術の一例を示すものとして、美術史や文化史の研究において重要な資料となっています。この素晴らしい皿を14世紀に時代を特定するためのいくつかの特徴があります。まず、円形の形状に適した構図で、二羽の鳥がお互いに遊び心を持って円を描いています。次に、多角的な視点から描かれた豊かなアオイの花があり、異なる大きさの花弁が重なり合って奥行きを示しています。また、長くて細い葉が少なくとも三層に渡って彫刻され、表面の豊かさを増しています。さらに、未加工の暗い背景がありますが、これはより初期の彫刻漆器でよく見られる特徴です。

【張成款雕漆剔紅綬帶秋葵紋盤 Dish with long-tailed birds and hibiscuses】中国‐元代
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画像出所:メトロポリタン美術館

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