「琥珀佛手盒」は清代(1644年–1911年)の19世紀に中国で制作された作品です。この作品は琥珀(こはく)で作られており、盒の形状は「佛手」という植物の実を模しています。
琥珀は樹脂化した化石であり、美しい黄色やオレンジ色の透明な色合いが特徴です。この盒の寸法は、高さが約7.6センチメートル、幅が約6.4センチメートルです。
「佛手」という名称は、中国の植物である佛手柑(ぶしゅかん)の実が手の形に似ていることから来ています。この盒はその形状を模しており、琥珀の質感と透明度が生かされています。
清代の中国では琥珀は高く評価され、宝飾品や工芸品として多くの作品が作られました。この「琥珀佛手盒」もその美しい彫刻と琥珀の自然な輝きが特徴であり、当時の芸術の精巧さと技術の高さを示しています。この箱の柑橘類の形状は、「佛手(ぶしゅ)」というあだ名が付けられています。明るい黄色の柑橘類の実の茎から生える指のような部分が、仏教美術で見られる儀式的な手のジェスチャー(印=mudra)に似ていると考えられているためです。また、「佛手」は「佛」という言葉が「福」の同音異義語であり、「手」という言葉が「寿」と同じ音を持つ語呂合わせ(rebus)でもあります。
画像出所:メトロポリタン美術館
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