【ヴィシュヌとガルダ像】カンボジア-アンコール時代12〜13世紀-青銅－常設展－東京国立博物館

両腕を広げて立つガルダ像の両肩の上に、四臂のヴィシュヌ像が立っています。ヴィシュヌは、右第1手に宝珠、第2手にほら貝、左第1手に棍棒、第2手に円盤を持っています。ガルダは太陽に喩えられる巨鳥でナーガの天敵。人間の姿であらわされます。

カンボジアのアンコール時代（12世紀から13世紀）に作られた青銅のヴィシュヌとガルダ像は、ヒンドゥー教の神であるヴィシュヌとその乗り物であるガルダ（神鳥）を描いた美術作品です。これらの像は、カンボジアのアンコール遺跡で発見され、重要な宗教的な役割を果たしていたと考えられています。

ヴィシュヌはヒンドゥー教の三大神の一つであり、全宇宙の維持と保護の神とされています。ヴィシュヌは通常、四本の腕を持ち、手には象徴的な武器や属性を持って描かれます。ガルダはヴィシュヌの乗り物であり、神聖な鳥として知られています。ガルダはしばしば人間の上半身と鳥の下半身の姿で表されます。

これらの青銅像は、アンコール時代のヒンドゥー教寺院や神殿で見つかりました。特に、アンコール・ワットやバイオン寺院などでよく見られます。これらの寺院は、アンコール時代にカンボジアで栄えたヒンドゥー教の中心地であり、多くの美術作品が保存されています。

青銅のヴィシュヌとガルダ像は、高度な鋳造技術と芸術的な細部へのこだわりが特徴です。これらの像は細部まで緻密に彫られ、装飾的な要素や表現力の豊かさが見受けられます。また、これらの作品は、当時の宗教的な信仰と信仰の対象として重要な役割を果たしていたと考えられています。

カンボジアのアンコール時代の青銅のヴィシュヌとガルダ像は、美術愛好家や学術研究者によって高く評価されています。これらの作品は、ヒンドゥー教の信仰やカンボジアの歴史的な背景を理解するための貴重な資料となっています。また、これらの像はカンボジアの文化遺産として保護され、観光客や研究者によって訪れられています。