「錯銀青銅鐏」は、中国の西漢時代（紀元前206年から紀元9年）に制作された銅製の器具であり、銀の象嵌（しょうかん）が施されています。この鐏（そ）は、紀元前2世紀後半から紀元前1世紀初頭に作られ、高さ17.1センチメートルのサイズを持っています。
この作品は、銅製のベースに銀の装飾が施されており、その技法は錯銀（さくぎん）と呼ばれます。錯銀とは、銀を凹んだ溝や彫刻したデザインに充填する技法であり、高度な技術と細密な作業を要します。この技法によって、銅製のベースに美しい模様や細部が施され、豪華で装飾的な外観が生み出されます。
鐏は、古代中国の農業で使用された農具の一種であり、主に牛などの牽引動物に装着されました。これらの農具は、土地の耕作や作物の栽培に使用され、古代中国の農業社会において重要な役割を果たしました。
「錯銀青銅鐏」は、西漢時代の技術と芸術の高さを示す素晴らしい例であり、当時の工芸品の贅沢な装飾と洗練された技法を象徴しています。また、この作品は、古代中国の農業と社会組織に関する貴重な情報を提供しています。
画像出所：メトロポリタン美術館
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