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【家族集まりの大理石墓碑 Marble grave stele with a family group】古代ギリシャ‐古典期後期
この「家族集まりの大理石墓碑」は、古典期後期の作品で、制作年代は紀元前約360年頃に位置します。文化的背景はアッティカ地方のギリシャです。
この墓碑は、ペンテリコス産の大理石で作られており、高さは約171.1センチメートルです。この墓碑は、古代ギリシャの伝統に基づいて家族の集まりを描いたもので、家族の絆や結束を象徴しています。
彫刻は、複数の人物像が描かれており、おそらく家族の構成員を表しています。彫刻はリアリズムに満ちており、人物の表情やポーズから、彼らの間に感情的な絆があることが伝わってきます。
墓碑のデザインや装飾は、古典期後期のアッティカ地方の墓碑の典型的な特徴を反映しています。大理石の柔らかな質感と精緻な彫刻技術により、この墓碑は非常に高貴で優雅な印象を与えます。
この墓碑は、かつてのギリシャの家族や社会構造に関する貴重な情報を提供しています。墓碑は、当時の文化や信念、芸術の価値観を理解する上で貴重な資料です。
この墓碑の周囲にあった枠が失われているため、故人を特定する可能性のある碑文がありません。座っている男性と彼の後ろにいるベールをかぶった女性は、まっすぐ前を見つめています。下を見つめている若い女性を、まるで存在しないかのように見ています。彼らは故人の娘を悼んでいるのでしょうか? 彼女は故人の父を悼んでいるのでしょうか、それとも彼女は集団の唯一の生存者なのでしょうか? このレリーフは曖昧さと厳粛な悲しみにもかかわらず、強烈で、抑制された家族の結束感を伝えています。巧みな彫刻家によって彫られたこの墓碑は、古典期から残されている最も素晴らしい例の一つです。
画像出所:メトロポリタン美術館
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