【金製フィアレー(酒を捧げるボウル) Gold phiale (libation bowl)】ギリシャ‐後期古典期‐ヘレニズム期

【金製フィアレー(酒を捧げるボウル) Gold phiale (libation bowl)】ギリシャ‐後期古典期‐ヘレニズム期

この「金製フィアレー(酒を捧げるボウル)」は、紀元前4世紀から3世紀ごろの後期古典期またはヘレニズム期にギリシャで制作されました。このボウルは、金を使用して作られています。高さは約3.6センチメートルで、直径は約23.5センチメートルです。

この金製フィアレーは、古代ギリシャの宗教儀式において酒を捧げるために使用されたと考えられています。フィアレーは通常、神々や祖先を讃えるために酒や他の液体を注ぐための器具として使用されました。このような金製のフィアレーは、高貴な材料と精巧な工芸品として、神聖な儀式や宗教的な行事にふさわしいものとされていました。

この作品は、その小さなサイズにもかかわらず、細部にわたる精巧な細工と高度な技術が見られます。金製のフィアレーは、当時のギリシャ社会における富と贅沢の象徴としても機能しました。そのため、これらの器具はしばしば贈り物や重要な儀式の際に使用され、社会的な重要性を示すために装飾されたものでした。

この酒を捧げるボウルは、ギリシャ語で「Παυσι[ ]」と不完全に書かれ、更に深くポエニキア文字(カルタゴの文字)で重さの表示が刻まれています。

この酒を捧げるボウルは、ミツバチ、ドングリ、ブナの実で飾られており、レリーフで加工されています。ドングリで飾られたフィアレーは、紀元前6世紀末には既に製作されていたとされ、伝統的なものであったと考えられます。ドングリは、アテネのアクロポリスのエレクテウムにあるカリアティードたちが持つフィアレーにも見られ、ティヴォリのハドリアヌスの別荘で見つかったローマのコピーから知ることができます。

【金製フィアレー(酒を捧げるボウル) Gold phiale (libation bowl)】ギリシャ‐後期古典期‐ヘレニズム期
【金製フィアレー(酒を捧げるボウル) Gold phiale (libation bowl)】ギリシャ‐後期古典期‐ヘレニズム期

画像出所:メトロポリタン美術館

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