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【剣鞘金シート装飾 Sheet-gold decoration for a sword scabbard】ギリシャ‐後期古典期からヘレニズム期
「剣鞘金シート装飾」は、おおよそ紀元前340年から320年ごろの時代の作品です。この作品は、ギリシャまたはスキタイ(スキタ人)の文化に関連するもので、後期古典期からヘレニズム期にかけてのものとされています。
金で作られたこの装飾は、剣の鞘に使用されるためのものであり、全長は約21 7/16インチ(約54.5センチ)です。その大きさからもわかるように、これは非常に贅沢で精巧な装飾品でした。
この金のシート装飾は、繊細な彫刻や模様が施されており、そのデザインは当時のギリシャまたはスキタイ文化の特徴を反映しています。鞘の装飾品は、古代の武器や装備が持つ高い芸術性と技術を示しています。このような装飾品は、当時の文化的・美術的な交流や影響を示す証拠となっています。
主なフリーズ部分には、ギリシャ人と野蛮人との戦いが描かれており、左端には2つのグリフィン(獅子の上半身と鷲の下半身を持つ伝説の生物)が立っています。フリーズの上部の不規則な領域には、2匹の鹿が描かれており、片方はライオンによって、もう片方はグリフィンによって襲われています。
この金の装飾が付いていた鞘は、おそらく青銅または鉄など他の素材で作られたものでした。こうした精巧に飾られた鞘は、通常、スキタイの武器セットの一部であり、そのセットには剣、弓、弓の鞘が含まれていた可能性があります。スキタイは紀元前1千年紀にユーラシアのステップ地帯に住んでいた遊牧民でした。この鞘はスキタイ式ですが、装飾はギリシャの様式であり、明らかにギリシャの職人によるものです。北ギリシャのヴェルギナ王立墓地や黒海周辺のスキタイ支配者のクルガン(墳丘)から出土した同様の金属シート装飾品も、同じ工房で作られたものとされています。
画像出所:メトロポリタン美術館
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